医師の仕事・働き方・キャリアプランについて

#82 麻酔科医に求められる資格とは

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麻酔科医は日本でもっとも需要の高い医師のひとつです。麻酔科医になるためにはどのような資格が必要なのでしょうか。ここでは麻酔科医の仕事内容を幅広く紹介し、麻酔科専門医を目指すための方法について解説を行います。

麻酔科医に求められる資格とは

麻酔科医の仕事内容について

麻酔科医は患者さんに安全安心な手術を提供することが主な仕事内容です。そのためには痛みを感じさせないのが大前提となります。手術中、患者さんが感じる痛みや刺激の強さは一定ではありません。強い痛みの時もあれば、弱い痛みの時もあります。麻酔で眠っていても、脳や脊髄は痛みの刺激に対して反応しますので身体にはその影響がでます。たとえば強い痛みを感じれば血圧が上がり心拍数が増えるでしょう。出血が続けば血圧が下がり、その代償として心拍数が増加することもあります。
このように手術中には様々な問題が発生するので、麻酔科医は患者さんの状態を正常範囲にコントロールする医療を行います。痛みが強ければ、麻酔薬を増やし痛みを感じないようにしますし、痛みが弱いときには余計な麻酔を投与しないように注意します。患者さんの麻酔状態を観察するだけでなく、手術の様子からも目を放しません。手術中はずっと手術室に滞在し、患者さんの傍らで医療技術を駆使します。
麻酔科医の仕事は手術中だけではありません。患者さんに適した麻酔方法を考えるために、手術の何日も前から患者さんを観察することもあります。また手術後、患者さんの呼吸や意識レベルの回復度をチェックするのも麻酔科医の重要な仕事のひとつです。

麻酔科医の仕事内容について

日本の医療現場は慢性的な医師不足といわれており、麻酔科医も例外ではありません。麻酔科医の数は年々増加傾向ではあるものの、それ以上のスピードで需要が上回ってきています。理由はいろいろとありますが、麻酔科医ではない医師が麻酔を行うケースが減っているのがその一因でしょう。医療ミスを防止するため、麻酔をするときは専門医である麻酔科医に任せる病院が多くなっています。また今まで手術を実施していなかった中小の病院でも手術を行うようになったり、大学病院の手術件数が増えたりしているのも麻酔科医の需要が高まっている理由です。
麻酔科医といえば手術がメインのイメージがあるかもしれませんが、ホスピスの緩和ケア、ペインクリニック、在宅医療など活躍の場は広がってきています。手術以外にも活躍の場があるため麻酔科医の重要性はより高まっている状況といえるでしょう。
いろいろなところから引っ張りだこの麻酔科医はフリーランスのスタイルで働くことも可能です。常駐医は月毎に給料をもらいますが、フリーランスは1手術毎に報酬を受け取ります。手術の数、報酬次第では常駐医よりも効率よく稼ぐことができるでしょう。フリーランスとなると個人のスキル、営業力が問われますが、仕事量を自分で調整でき、肉体疲労も軽減されるのでフリーランスを選ぶ麻酔科医も増えてきているようです。

麻酔科専門医を目指すには

麻酔科医の種類を大きく分けると、麻酔科専門医と麻酔科標榜医のふたつです。いきなり麻酔科専門医にはなれないので、まずは麻酔科標榜医を目指す必要があります。麻酔科標榜医を目指すには医師国家試験に合格を果たし、医師免許の資格を取得しなくてはなりません。その後、麻酔科専門医の下で2年間研修を実施し、厚生労働省に麻酔科標榜医の申請をする流れとなります。
麻酔科標榜医になり、3年間の研修を全うすれば麻酔科専門医の受験資格を得ることができます。社団法人日本麻酔科学会が管轄する麻酔科専門医試験に合格できれば、晴れて麻酔科専門医となります。
麻酔科専門医にならなくても医師免許や歯科医師免許を持っていれば麻酔を行う資格は一応ありますが、麻酔は不慮の事故がとても怖いものです。麻酔は麻酔科医が担当するのが一番望ましいといえるでしょう。

2022.6.20 更新
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