医師の仕事・働き方・キャリアプランについて

医療現場の課題から探る業界の将来性

人々の健康を守り、豊かな生活を築くためには欠かせない医療ですが現場では数多くの問題が山積みになっています。この記事では、医療業界で働く医師が知っておきたい問題点について詳しく解説し、業界の将来を考えていきます。

医療現場が抱える現在の課題

医療現場が抱える現在の課題

医療業界は年々「細分化」が進んでいます。たとえば、「内科」の中でも治療法や専門とする臓器によって細かく担当が分かれ、それぞれのエキスパートが求められるようになりました。
こうした変化は患者にとってはメリットが大きく、安心できる傾向です。自分がかかった病気に対し、専門家から適切な処置を施してもらえるからです。しかし、現場で働く医師にとっての負担はむしろ増大していきます。治療の専門性が高まるにつれ、医師間での業務の共有が難しくなっていきます。そのため、一人の主治医にかかる責任はふくらみ、休日出勤や残業などの過労問題が生まれるでしょう。
また、最新機器を使った科学的な医療法においても、課題がささやかれています。機器を導入しても全ての医師が取り扱えるわけではないので、やはり一部の医師に頼らざるをえない状況が予想されます。また、機器の研修などで業務時間外に勉強すべき項目が増え、医師のプライベートがますます侵食されていきます。医療は常に発達し続けていますが、全ての病院で最先端の医療技術を反映できるほどのマンパワーが確保できていないのが現状です。

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高齢化社会における医療の役割とは?

高齢化社会における医療の役割とは?

高齢化社会の到来も医療を大きく変えていきます。まず、高齢者は若年層よりも健康面の不安が増えるので、病院に通う頻度も高くなります。高齢化社会では患者の大半を高齢者が占めるようになるでしょう。しかし、患者の急増に対応できるだけの医師、看護士が用意できていないのが現状です。人員不足に加えて「入院に必要なベッドや設備」なども全ての病院で満足に整ってはいません。病気を抱えながらも高齢者が「治療の順番待ち」を強いられる状況が多発するのであれば、医療機関への信頼は失われていきます。
加えて、「病院」以外の診療方法の確立も求められるようになりました。高齢者の中には自宅や施設から移動するのが困難な人もいます。在宅医療の充実は高齢化社会における課題でしょう。高齢化社会の大きな問題として、「年金制度の崩壊による医療費の捻出の難しさ」が挙げられます。就労できる体力のない高齢者は年金によって生活を保障されています。しかし、年金を国に納めるはずの若年層の割合が少なくなれば、年金の額も少なくなり高齢者が適切な医療を受けるのが困難になります。新たな医療保障も早急に求められています。

変化する医療体制の先に見えてくる業界の将来性

変化する医療体制の先に見えてくる業界の将来性

医療の現場や現状の制度には少なくない課題を残しています。しかし、時代とともに医療が変わっていくのは今に始まったことではありません。これから医療の現場で働く人、すでに医療の中心で活躍している人は「自分にできること」を常に考えながら、目の前の課題に取り組む意識が大切です。たとえば、医療業界では若い医師の存在価値がますます大きくなっていきます。高齢化社会が進めば、高齢者が高齢者を診療するという危険な状況が日常化します。医師の平均年齢が上がると治療の継続性が弱くなるうえ、治療の現場でのミスが増える恐れもあります。また、多忙な医師の仕事に耐えられるだけの体力を維持できる保証もありません。体力的にも余裕があり、新しい技術にも適応力が高い若手医師の奮起は、医療業界を健全に機能させていくには不可欠でしょう。特にコンピュータを応用した最新の医療システムでは、パソコンへの知識が豊富な若年層の力が必要です。つまり、医療業界は20代から30代の医師にとって「将来性がある」といえる現場です。そのような意識をしっかりと持てば、強いやりがいを持って働ける職場で充実した医師生活を送れるでしょう。

2022.6.20 掲載
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