医師の仕事・働き方・キャリアプランについて

皮膚科医になるための資格はある?

皮膚科医は湿疹やかぶれ、かゆみといったあらゆる皮膚疾患を診療し適切な薬を処方するのが主な仕事ですが、求められる役割はそれだけではありません。皮膚科医とはどのような仕事なのか、資格の有無やスキルアップに必要な知識を紹介します。

皮膚科医の使命

皮膚科医の使命

患者が皮膚科を訪れるのは皮膚に何かしらの異常が見られたときです。皮膚は体全体を覆っていますから、皮膚科の診療範囲は手足、顔、耳、鼻、口などほぼ全身といって良いでしょう。皮膚に付属する爪や毛髪の疾患も皮膚科で取り扱うことになります。全身に関する幅広い知識を持っていなければ皮膚科医になることは難しいのです。そのため、他の診療科に比べると皮膚科医の数は決して多くはありません。
皮膚科医は診療以外にも皮下にある腫瘍の検査や手術を行うことがあります。病気の知識だけではなく手術で必要な縫合といった技術も求められます。外来診療のみを行っている皮膚科では診療が主ですが、救急病院では縫合できる医師が重宝され老人ホームなどでは褥瘡(じょくそう)に対処できる専門的知識を持つ皮膚科医が必要不可欠です。
皮膚科医は皮膚とそれに付属する部位の疾患すべてに対する知識が求められます。皮膚疾患と皮膚疾患を及ぼしているあらゆる原因に対処し、患者の悩みを解消することが皮膚科医の使命です。そのためには、皮膚科医として自身のスキルアップも必要になってくるでしょう。

プロの転職エージェントに無料で相談する

皮膚科医になるまで

皮膚科医になるまで

皮膚科医になるには他の診療科の医師と同じように、国家資格である医師免許を取得しなければなりません。医師免許を取得すれば、どの診療科でも医師として従事することが可能です。医師免許を取得するためには、大学にある医学部で最低6年間医療全般について学んだ後、医師国家試験を受ける必要があります。試験に合格すれば医師免許が取得できますが、その後2年間は卒後の臨床研修が必要不可欠です。大学病院や臨床研修病院などで研修医として基本的な診療能力を身につけていきます。内科や外科、救急部門などを1年目に学んだあと、小児科や産婦人科、精神科、地域保健・医療といった分野も学ぶのが一般的です。知識と技術だけではなく、医師として求められる対応力や態度なども学びます。2年間の臨床研修が終わったのち、医局で皮膚科医を選択すれば皮膚科医になることができます。

皮膚科医を極めて専門医になる

皮膚科医を極めて専門医になる

日本皮膚科学会認定の皮膚科専門医制度を利用すれば皮膚科医としてさらなるスキルアップを目指すことができます。この資格を取得するためには、医師免許を取得していること、5年以上継続して医師として従事していること、5年以上皮膚科の臨床研修を行うことなどの条件を満たしていなければいけません。この他、認定前研修実績において所定の単位が取得できているか、皮膚科の診療に今現在携わっているかなどの条件も加わります。専門医の認定を申請するためにはこれらの条件にすべて該当している必要があります。書類審査が通れば認定資格を与えられ、認定試験の合格者のみ日本皮膚科学会の承認を得ることが可能です。
専門医資格の認定期間は5年間なので、5年ごとに更新の申請手続きを行わなければなりません。更新手続きをしなかったり更新が認められなかったりという場合には専門医資格が喪失してしまうので注意してください。
皮膚科には皮膚科医と皮膚科専門医の2つの医師がいます。皮膚科医でも一般的な診療は行えますが、皮膚科専門医は認定を受けた指導医のもとで5年以上臨床研修を行い、専門医として知識と技量が認められた医師です。多くの患者を救うためには専門医を目指してスキルアップを図ることが重要といえるのかもしれません。医師を目指している人や医師への転職を考えている人、皮膚科医としてさらに技術を磨きたいという人は専門医制度の利用を頭に入れておくと良いでしょう。

皮膚科医についてよくある質問

皮膚科専門医になるためには、日本では以下のプロセスを経る必要があります。
医科大学(6年間):まず、医科大学に進学し、基本的な医学知識を学びます。医科大学を卒業すると医師免許が授与されます。
初期臨床研修(2年間):新たに医師免許を取得した医師は、全ての医師が通過しなければならない2年間の初期臨床研修を受けます。これは、病院での実際の医療現場で働き、各科の基本的な診療スキルを習得する期間です。
皮膚科専門研修(5年間):初期臨床研修を終えた後、皮膚科専門医になるための研修を行います。この研修は4年間で、専門的なスキルと知識を習得します。
以上のプロセスを経ると、合計で医学部入学から13年間が必要となります。
その後も定期的な研修や学会への参加、継続教育などが求められ、さらに上級の認定医や専門医になるための追加の研修や試験が必要となることがあります。これらはさらに数年を要することもあります。
なお、これらの期間は目安であり、個々の医師の経歴や状況により異なる場合があります。また、研修制度や医師の教育体制は変更と改良が続いているため、最新の情報を医療機関や教育機関から得ることをおすすめします。

e-doctorで扱っている皮膚科医の求人はこちらから閲覧できます→

皮膚科医の年収は、働く場所、経験、専門性などの多くの要素によって異なります。公立病院で働く医師、私立病院で働く医師、開業医といった職種によっても年収は大きく変わります。
2021年の情報に基づくと、日本の皮膚科医の平均年収はおおよそ900万円から1,500万円程度とされています。しかし、開業医の中にはこれ以上に収入を得ている医師もいます。
具体的な収入は、医師がどの程度の手術を行っているか、診療科目の専門性、地域や病院の規模、そして患者の数などによります。
以上の数値はあくまで平均的なもので、個々の医師の収入はこれらの数値と異なる場合があります。現場の状況や具体的な条件により、これらの数値は変動する可能性があります。また、最新の情報を得るためには、各医療機関や関連組織に問い合わせることをおすすめします。

e-doctorで扱っている皮膚科医の求人はこちらから閲覧できます→

皮膚科医の魅力はいくつかありますが、以下にその主な点を挙げてみます:
直接的な診断と治療:皮膚科医は肌の問題を直接視覚的に確認し、診断と治療を行うことができます。これは非常に直感的な診療であり、具体的な結果を見ることができるという面では非常に満足感があります。
広範な年齢層の患者:皮膚科は新生児から高齢者まで幅広い年齢層の患者を対象にしています。これにより、患者との長期的な関係を築くことができ、多様な診療経験を得ることが可能です。
生活の質の向上に寄与:皮膚の問題は患者の心身の健康だけでなく、自己意識や生活の質にも大きな影響を与えます。皮膚科医はこれらの問題の解決に貢献し、患者の生活の質の向上に大きく寄与します。
多様な治療オプション:皮膚科医は外用薬からレーザー治療、外科的手術まで、様々な治療オプションを選ぶことができます。
働きやすい時間:多くの皮膚科の診療は日中に行われ、救急医療の必要性が比較的低いです。これは、一部の他の専門分野と比較して、皮膚科医のワークライフバランスを保つ上で利点となることがあります。
上記は一部の魅力を挙げたものであり、個々の医師によって感じる魅力は異なるかもしれません。自身の興味や価値観に基づいて、専門分野を選ぶことが重要です。

e-doctorで扱っている皮膚科医の求人はこちらから閲覧できます→

2022.6.20 掲載
プロの転職エージェントに無料で相談する

おすすめ求人

  • 矯正医官
  • A CLINIC GINZA