「医師として」メインタイトル
1年越しの想いを叶えられた先生の転職活動とは?
 

第五十四話
1年越しの想い(後)

 一、早すぎる終わり
早すぎる終わり
 老健施設Sの担当者からの連絡は耳を疑うものでした。
「面接の際と印象が違う」「コミュニケーションが全く取れない」挙句には、認知症を疑う発言まで出てきました。私は驚いて、急遽、H先生とお会いする時間を設けましたが、お会いした先生は、以前と変わらず至って普通の状態でした。
その後も、施設側の希望もあり、しばらく様子見の状態が続いたのですが、施設側は仕事を出来ないと思い込み先生に仕事を回さない、先生はやることがないのでやる気がないという悪循環が続いていました。
結果として、初動のコミュニケーションがうまく行かなかったことが尾を引き、半年という短期間で退職されることになってしまいました。
 二、リトライ
リトライ
 正式な退職日までには3ヶ月ほどの猶予期間があり、老健施設SからもH先生の次の勤務先を探してあげてくださいとのお話をいただいた私は、早速いくつかの老健施設や介護医療院の求人を準備し、H先生と面接を繰り返すことになります。
しかし、条件面での折り合いがつかないなど、なかなか決定には至りませんでした。
そんな日々の中、ふっと老健施設Mのことを「そういえば、前回の面接から9ヶ月。現職の先生との契約満了予定の時期が、近づいているな・・・」と思い出します。
私は、すぐに老健施設Mの担当者へ「以前ご紹介したH先生の件で」と連絡を取ることにしました。
 三、想いは変わらない
想いは変わらない
 老健施設Mでは、医師を交代したいお考えは変わらず、現職医師が原因で入所者数の減少や長年働いてもらった師長の退職など、前回以上に早急な対応が必要な状態になっていました。
そこで、こちらの状況をご説明したところ、「是非に」とのことで、改めて面接を行うことになりました。
事前に老健施設Mへも今回の経緯はお伝えしていたものの、再面接ということで改めてH先生と綿密に打ち合わせも重ねて当日に臨みました。
いざ面接が始まると、事前の心配はどこへやら、約1年前の面接で理事長の中に生まれた「H先生なら」という想いは変わっておらず、特に面接らしい面接をすることもなく、早々に、現在勤務しているスタッフの皆さんへの紹介の場になっていきました。
こうして和やかな雰囲気で面接は終了し、H先生のご入職が無事決定しました。
 四、時期とタイミング
時期とタイミング
 H先生は、その後、滞りなくご入職をされ、現在もお元気にご勤務されています。
老健施設Sへのご入職は、初動でのコミュニケーション不足などが原因で短期での退職という不本意な結果になってしまいました。
老健施設Mでは、1回目の面接が流れてしまった際に、いったんは、もうご縁がないものと思い込んでしまっていましたが、諦めず連絡を取ったことでご縁がつながりました。
私にとっても、医師と医療機関、双方のタイミングによって、一度はうまく行かなかったことが、時が変わればうまく行くようになることもあるのだという貴重な教訓を得ることができた案件となりました。
 
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