「医師として」メインタイトル
前編のあらすじ
手を痛めカルテを書き難くなったため、一度は離れた「地域のかかりつけ医」の道。
しかし、電子カルテならそのハンデを克服し、もう一度「かかりつけ医」に戻れるはず。
そんな思いを胸に臨んだ面接は順調に話が進み、入職に向けほぼ合意できたものの、
医療機関側から出された入職時期はわずか1ヶ月半後。
現職がある身にとってあまりに短い入職までの時間。
果たしてこの話をまとめることはできるのか?
 

第3話
現役医師だからこそ、かつての道へ
(後編)

 四 やむを得ず
面談
後日、医療機関から招聘条件が届き、先生もご承諾頂きました。残る課題は先生が現勤務先を短期間で退職することが出来るか、それは医療機関からの要請もさることながら、先生の人としての道義もあり、困難を要する結果となってしまいました。

現勤務先からは当然のことながら、慰留がありました。それは先生が今後も必要とされている人材であり、先生としてもこれまでの恩義もあることから、転職をすること自体に悩まれているご様子でありました。

数日後、先生から連絡がありました。
『やはり入職までの期間が短すぎました。せっかくのお話ですが、辞退させて頂きます。』
転職についても、現在の病院における先生の立場から、1年間は勤務を続ける意向となりました。
クリニックへは丁重に辞退の旨をお伝え致しましたが、先方にとっては期待されていただけに、残念な結果となってしまいました。

先方に1年後(最短でも半年後)の入職についてご相談を致しましたが、『現状では、そのような考えは出来ない』と、お互いに、致し方なく、諦めることとなってしまいました。
 五 思い入れ
面談
その後も先生へは1年後以降のご入職に向け、案件のご紹介を続けましたが、転職に対して、先生が消極的になったことや、先生のお気持ちの中で、前回を上回る案件ではなかったことで、前向きなお返事は頂く事が出来ませんでした。

数日後、前回のクリニックへ状況確認という名目で、連絡を致しました。実のところは、先生のご相談を再度するためでした。
状況確認を済ませ本題である先生のご相談を切り出そうとしたその時、先方から
『先生はすでに他でお決まりになられましたか』と尋ねられました。
話しを伺うと1年後は無理だが、最長半年後の入職であれば調整するので、再度先生にお願いすることは可能か否かという、思わぬ依頼がありました。

クリニックの思いをお伝えするべく、再度、先生にお会いすることになりました。数日振りにお会いした先生は初めてお会いした時と同様に颯爽と現れました。

『半年後にてのご転職を再検討して頂けないでしょうか』

先生としてもクリニックへの思い、ご自身の『かかりつけ医』への思いを、捨てきれていなかったとのことで、もう一度、現勤務先へ申し入れをすると仰って頂きました。
 
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