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患者さまの立場を十分理解し、質の高い医療を目指します。

運営・経営方針

1.運営・経営方針

 安藤病院長に運営や経営の方針について、伺った。

 「当院の役割としては3つあります。1つは急性期病院としての役割、2つ目は地域医療におけるフォローアップの役割、3つ目は医学生、薬学生を含む医療技術職の教育の場としての役割です。主にその3つに力を入れています。」
 

2.地域連携

 中津川市民病院の地域連携について、安藤病院長に伺った。

 「診療圏内にかかりつけ医として開業されている先生方が約80人いらっしゃいますが、その全ての方と連携を取っています。地域連携の運用上で何か不都合なことはないか、またどういうニーズがあるかなど、私を含めた当院の医師が毎年お話を伺いに行き、連携を密にしたうえで、年間1万件にのぼる患者さんのご紹介をいただいています。患者さんが入院するとすぐにかかりつけの先生に連絡を取り、退院後の調整方法を決めていますが、諸事情で家に帰れない方や施設の都合がつかない方に関しては当院の地域包括ケア病棟で入院を継続しながらご自宅の環境を整えていただくことを勧めています。その結果、当院の在宅復帰率は約95%と非常に高く、ほとんどの方がご自宅や近隣の施設へ戻られています。地元で開業されている先生は多くいらっしゃいますが、エリアが広いので、在宅の患者さんを全て診ようとするとかなりの負担がかかります。そのため、在宅診療を受けている患者さんが亡くなったときに当院のドクターカーが出動します。かかりつけ医の先生に連絡をして、ドクターカーの医師が死亡診断書を書いて看取りをしてよいかなどを確認し、ご家族の了解のもとに看取りを行うこともあります。これらにより、かかりつけの先生が夜中や休日に呼び出されることが少なくなりますので、かかりつけの先生方のご負担が減り、少しでも多くの在宅の患者さんを診療していただけるよう、協力体制を取っています。中津川市内のご自宅で亡くなられる在宅療養の高齢者の方の7割はドクターカーで看取りを行っているのが現状です。」
 

3.今後の展望

 今は新型コロナウイルスの影響もあり、どの公立病院も経営がなかなか苦しい状況です。公立病院といえども赤字が許されるわけではありませんので、健全経営を行うことが大きなポイントになります。健全経営と地元住民のニーズを満たしていくことの両立が大事ですね。中津川市は岐阜県の東濃地方の中で最も人口減少率が少ない市です。特に高齢者人口は今後20年ほどは横ばいで推移し、ほとんど変わらないと国勢調査から予測されています。入院患者さんを含め、病院利用者8割から9割を高齢の方が占めていますので、高齢者人口が変わらないということは病院に対する医療需要もあまり変わらないだろうと予想されます。国勢調査の結果は、リニア中央新幹線開業の影響を考慮に入れずに、このような予測が出ていますので、当院の戦略としては現在の病院の規模を極端に増減させることなく、内容を充実させていくことが重要だと考えています。今後の地域医療構想を思索しますと、診療圏内の医療施設と機能を分担したり、集合させたりということが必要になってくるかもしれませんが、病院の規模はあまり変えなくてもいいだろうと考えています。

2020.08.01 掲載 (C)LinkStaff

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