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時代の要請と理念の調和

病院の特徴

1.病院の特色

 自治医科大学附属病院は大学病院でありながら、地域の基幹病院でもある。

 「当院は大学病院としての役割と地域の病院としての役割を両方、果たしていかなくてはいけません。大学病院として高度先進医療を行うことは当然のことですね。一方で、栃木県内には500床以上の病院は獨協医科大学病院、済生会宇都宮病院、当院しかないので、地域医療をしっかり支えるために、三次救急も受け入れています。厚生労働省で救命救急センターの充実段階評価をしていますが、当院はS評価をいただいています。これは『ほかのセンターと比べて規範となるセンター』というものです。当院の医療圏は栃木県南部の50万人とされていますが、この医療県外からの患者さんが多いですね。3割の方が茨城県西部や埼玉県北部からいらしています。」

 高度先進医療の特徴として、ダ・ヴィンチによる手術などが挙げられる。また、小児科での遺伝子治療は世界的にも注目されている。

 「ダ・ヴィンチの導入自体は早い方ではなかったのですが、練習機を先に入れたのです。これで手技の練習を十分に積めました。これまでの外科系トレーニングはオン・ザ・ジョブ・トレーニングでしたが、そういう時代ではなくなったので、今はブタを使った手術などを行っています。しかし、手術がどれだけうまくできても、結果が全てですので、結果にこだわる教育に力を入れています。ダ・ヴィンチとしては、前立腺全摘除術、腎臓部分切除、膀胱全摘除術、子宮全摘術などを行っています。私のいる消化器外科では胃の切除が4例目となったところです。10例すれば保険収載という院内ルールを設けています。」
 

2.総合診療内科

 自治医科大学は地域医療に従事する医師を育成する大学であるが、自治医科大学附属病院は下野市周辺の医療を支えることも求められているので、総合診療が重要視されている。

 「昔の総合診療部は訪問診療もしていたほど、地域に密着していたのです。今は総合診療内科と名称を変え、外来では内科系疾患を中心に、診断のついていない方、複数の疾患を有する方、症状の多彩な方などを診察しています。2017年4月に内科総合病棟ができましたので、入院に関しては総合診療内科の医師とほかの内科の医師が協力して担当しています。そのため、循環器科や消化器科へのコンサルトも非常にスムーズになってきました。」
 

3.産科

 自治医科大学附属病院の大きな特徴の一つが産科であり、全国の大学病院の中でも屈指の規模となっている。分娩数は全国の大学病院中、常に3位以内に入っており、妊娠や分娩管理に強みを持っている。

 「産科は婦人科、総合周産期母子医療センターの産科、新生児科、小児外科とも密に連携しています。分娩できる医療施設が減っていることもあり、当院でリミット一杯までお受けしています。年間1000ほどの分娩を扱っていますが、若手医師のうちの6割が女性です。若手の女性医師は流動性が高いですし、各都道府県に帰っていく人もいますが、後期研修医が全国から集まってきますので、人員を確保できています。また、当院で初期研修を行った人がそのまま当院の専攻医プログラムに入ることも多いです。」

2019.12.01 掲載 (C)LinkStaff

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