医師の仕事・働き方・キャリアプランについて

心の病気の専門家!精神科医の仕事について

精神科医は心の病気を診断し、適切な治療を行うのが仕事です。主に薬物療法を用いますが、患者とのコミュニケーションも治療の一環という、他の診療科とは少し違った特徴があります。そこで、精神科医の仕事や治療の内容、患者とのコミュニケーションの方法などを詳しく紹介します。

精神科医が扱う症状のはどんなもの?

精神科医が扱う症状のはどんなもの?

精神科は心の病気や、心因性の症状を診断し、治療する診療科です。うつ病や統合失調症はもちろん、拒食症や過食症、アルコール依存や薬物依存などの病気も治療の対象です。
どんな人でも多かれ少なかれ、日常的にストレスを受けています。そのため一時的に眠れなくなったりイライラを感じたりするのは異常なことではありません。軽い症状なら休養をとったり気分転換をしたりすることで改善が可能です。しかし、慢性的にストレスを溜めこみ続けると、不安や抑うつ、不眠などの症状となって現れることがあります。さらに症状が進行すると幻覚や幻聴をともなうこともあり、自力での回復は困難になってしまいます。
また、パニック障害や過敏性腸症候群のように、心の不調が原因で体にも症状が現れる場合があります。身体的な症状は心因性であっても精神科医ではなく、心療内科医の担当です。しかし実際は、心と体の病状が一緒に現れることが非常に多いため、精神科も心療内科も同じ病気を扱っています。

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精神科医はどんな治療を行う仕事か

精神科の治療は、一般的には薬物療法を行いながら、カウンセリングを通して病状を改善するための助言や指導を行います。似た病状の患者を集め、自分の体験や悩みを話し合う集団精神療法や、患者だけでなく家族全体でカウンセリングを行う家族療法などを導入している医療機関もあります。
精神科医は手術やリハビリなど、外科的な措置を行うことはありません。しかし、症状が重く、外来治療ではなかなか病状が改善されないときや、自殺などの危険があるときには、患者に入院治療をすすめる必要があります。入院後は薬物療法やカウンセリングだけでなく、作業療法やレクリエーション、退院後の生活を見据えた生活技能訓練など、心のリハビリテーションを行うことができます。

精神科医が患者とのコミュニケーションで注意すること

精神科医にとって、患者とのコミュニケーションは治療の効果を左右する重大なポイントです。コミュニケーションがうまくとれないと、患者が医師に対し不信感を抱き、通院をやめてしまうおそれがあります。治療を中断してしまうと、病状がますます進行し、回復までにさらに長い時間を要するでしょう。そのような事態を避けるためにも、精神科医はまず、患者の話にじっくりと耳を傾けましょう。安易に患者を励ましたり、根掘り葉掘り質問をして、病気の原因を探ったりしてはいけません。
また、治療のために患者の生活習慣について指示やアドバイスを行う場合があります。このとき、雰囲気や態度からプレッシャーを与えないようにしましょう。精神科医の言動や態度ひとつで、患者の病状に悪影響を及ぼすこともあれば、治療に向かう意欲を引き出すこともできます。患者の性格や病状に合わせて臨機応変に対応できる能力も、精神科医に欠かせない資質のひとつです。

ストレスが多い社会だからこそ精神科医が求められる

うつ病は心の風邪といわれるように、心の病気は誰でもかかる可能性があるものです。どんなに軽い症状でも、放っておけばどんどん深刻化し、日常生活に支障をきたすおそれがあります。今後精神科医の需要はますます高まるでしょう。
ただし、精神科医は患者に合った治療方法を提案したり、薬を処方したりはできますが、実際に治療に取り組むのは患者自身です。患者に治そうとする意欲がなければ、精神科医がどれだけサポートをしても、病状が改善することはありません。不眠や食欲不振などの小さな不調でも気軽に受診できるよう、通院しやすい環境やイメージを作ることも、これからの精神科医に求められる仕事です。

2022.7.5 掲載
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