医師の仕事・働き方・キャリアプランについて

外科医の仕事内容とは?必要とされるスキルや人間性

医師の花形ともいわれる外科医ですが、その存在価値ともいえる手術以外はどのような仕事内容となっているのでしょうか。実は外科医であっても手術だけしていればいいというものではありません。必要とされる条件とは何なのでしょうか。

外科医の専門分野とは何か

外科医の専門分野とは何か

外科医は薬物療法で体の内側からアプローチする内科医とは異なり、主に体の外側から患部に向き合います。創傷の縫合、腫瘍や臓器の摘出などを行います。
診察後、どのような手術が適しているのか、患者にとってより良い選択肢を検査しながら探していきます。手術の方法に加えて、切除する範囲や順序、術式の安全性やリスクを患者やその家族に説明することも大事な役割です。手術に至る前段階でも、万全の状態で臨めるように身体状態や栄養を管理し把握することも必要です。いざ手術が終わったとしても、患者との関係は続きます。体の回復の具合や皮膚の治癒状況などの経過観察を行い、合併症などの兆候を見逃さないようにする必要があります。
外来の診療では大腸がんや胆石などの疾患を持った患者を診察することもあります。そうかと思えば、皮膚表面の外傷やしこりでやってくる患者もいます。外科の中でも専門をどこにするかで担当する分野も決まってきます。

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外科医の主な仕事内容…毎日のスケジュールは?

外科医の主な仕事内容…毎日のスケジュールは?

外科医の仕事内容としては、回診・手術・外来の3つがあります。一日の流れの例を紹介します。早朝にまずは回診を行います。これは毎日欠かすことなく行われます。その後、スタッフと患者ごとの治療方針などについて話し合い(カンファレンス)を持ちます。この際に内科医との連携が必要と思われれば、内科医も交えて相談します。細かな病棟業務もこなします。その日によって時間帯は変わりますが、手術を行います。5時間から6時間くらいはかかります。手術の内容によっては10時間にも及ぶものがあります。午後に遅い昼食をとります。その後、病棟業務に入り術後の管理などの仕事をします。夕方にも感染症や呼吸器についてなどのカンファレンスの場が持たれます。さらに、当直も月に3度ほどあります。
病院によりますが、外来も担当する職場もあります。救急がある施設では臨時に駆り出されることもあるかもしれません。
こうした忙しい毎日の中で時間を見付けて、手術の腕を磨き専門分野でのエキスパートを目指していきます。

外科医に向いている性格やNG事項を知ろう

外科医に向いている性格やNG事項を知ろう

第一に、患者を救うために全身全霊で手術と向き合っていくためには、精神的な強さが必要です。外科医として一人前になるには10年は必要とされます。忙しい毎日の中で時間を見付けて先輩医師から技術を教えてもらい修行していかなければなりません。日々心技体を高めていく気概が求められています。
精神面だけではなく体力も重要です。手術中は立ちっぱなしで、10時間を超えるものもあります。30代や40代前半までは若さで何とかなるかもしれませんが、それ以降は体力向上のための努力がなければ厳しくなるばかりです。
また、外科医にとって致命的なのが老眼です。手元が見えにくくなれば、メスさばきにも支障が出てきます。手術内容によってはミリ単位のズレが患者に大きな影響を与えることになりかねません。老眼の進行は加齢によるもので仕方がない部分はありますが、できるだけ遅らせるような心構えが必要です。

生命を左右することもある外科医は責任重大

生命を左右することもある外科医は責任重大

人の命を左右する医師は責任が重い職業です。その医師の中でも、さらに重圧がかかるのは外科医なのです。他の科の医師よりも直接患者の命に関わっているのが外科医です。心臓血管外科医が手術中、1つでもミスをすれば多大な影響が出ます。そのように、外科医は手術の結果まで医師に責任がついてまわります。手術時間も長く、長時間にわたり集中力を保たなくてはなりません。さらに緊急手術もあります。多くの臓器の外傷をカバーしなくてはならず、術後の急変も珍しくはありません。術後管理と並行して外来のフォローをすることもあります。そのため他の専門医よりもハードで責任も重くなると感じる医師が多いのです。
しかし、それだけに自分の手で患者を救ったという喜びが実感できるのも外科医の醍醐味です。自分が執刀した患者が元気に退院することは医者冥利に尽きるでしょう。

2022.7.5 掲載
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