医師の仕事・働き方・キャリアプランについて

#94 実状は全く異なる?常勤の医師と非常勤医師の違いとは

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働く医師にとって意外と大きな問題となるのが、常勤と非常勤のどちらの方がいいのか、というものです。この記事では、常勤と非常勤の働き方の違いを比較しながら、それぞれのメリットとデメリットについて具体的に紹介します。

実状は全く異なる?常勤の医師と非常勤医師の違いとは

医師を目指すなら常勤と非常勤の定義を知ろう

常勤医師と非常勤医師の定義は、厚生労働省医政局が平成26年4月に発行した「医療法第25条第1項の規定に基づく立入検査要綱」で明確に定められています。大雑把にまとめると、1週間に32時間以上働くと常勤医師となり、32時間に満たない場合は非常勤医師となります。しかし、これは各病院の必要医師数を計算するために設定されたものであることに注意が必要です。
一般的には、病院から正規に雇用されている医師を常勤医師、それ以外の雇用形態を非常勤医師と呼ぶことが多いです。常勤医師を正社員、非常勤医師を派遣社員やアルバイトと捉えると分かりやすくなるでしょう。そのため、1週間に32時間以上働いている非常勤医師もいます。

常勤で働くメリットとデメリット

常勤医師の最も大きなメリットは安心して働けることです。病院から正規に雇用されているため、社会保険はもちろんのこと、病院の福利厚生を受けることもできます。給料も安定しており、ボーナスがもらえることもあります。また、医療関係者と接点を持ちやすいこともメリットの1つです。病院にはさまざまな分野の医師が集まるため、最新の情報を得たり、仕事の幅を広げたりするのに便利です。
反対にデメリットとしては拘束時間が長いことが挙げられます。医師というと華やかなイメージを持つ人が少なくありませんが、残業は一般的な企業よりも長い傾向があり、さらに急患などによって休み中に呼び出されることも多いです。

非常勤で働くメリットとデメリット

非常勤医師の最大のメリットは自由時間が多いことです。常勤医師のように、朝から晩まで病院にいなければならないわけではないため、自分の好きな時間だけ働くことができます。残業や急な呼び出しもほとんどなく、ワークライフバランスを重視したい人には最適な働き方です。
しかしデメリットもあります。まず、病院に正規に雇われているわけではないため、社会保険や雇用保険などがない場合もあります。福利厚生についても十分に受けられないことは多いです。また、常勤の場合は年末調整がありますが、非常勤の場合は自分で確定申告をする必要があります。医師という仕事上、管理しなければならない書類なども多く、治療以外の事務作業もやらなければなりません。そして意外と大きなデメリットとして人間関係が希薄になることが挙げられます。医療関係者との接点が少なくなるため、人脈作りや情報収集は主体的に行う必要があります。
ちなみに、非常勤医師であっても常勤医師と年収はそれほど大きく変わりません。非常勤医師になると収入が減ると考える人は少なくありませんが、非常勤医師の時給相場は約1万円であり、1日8時間、週5日勤務すれば、常勤医師より年収が高くなる場合もあるほどです。また医療現場では人材不足が深刻な問題となっているため、比較的簡単に仕事を見つけることができます。

目標に合わせた医師としての働き方を選ぼう

ここまで常勤医師と非常勤医師の働き方の違いについて紹介してきましたが、どちらにも一長一短あります。双方の働き方について簡単にまとめると、常勤医師は安定しているものの拘束時間が長く、非常勤医師は自由に生活できる反面、自己管理や主体性が求められます。自由と管理はトレードオフの関係であり、いいとこ取りは不可能です。
結局のところ、どのような働き方をしたいのかが重要であり、絶対的な正解はありません。常勤と非常勤という働き方を考える前に、まずは自分が何をしたいのかを明確にするようにしましょう。そうすれば、自ずと適切な働き方が見えてくるはずです。

2022.6.22 更新
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