医師の仕事・働き方・キャリアプランについて

外科医になるために必要な資格とは?

外科医は医師の仕事の中でも花形と呼ばれるものです。手術によって重い症状が急激に軽くなることも多く、それによって医師の力を患者やその家族に実感してもらいやすいというのも理由の1つでしょう。ここでは、外科医になるために必要な資格や専門性を高める方法などをまとめます。

外科医の仕事と使命

外科医の仕事と使命

外科医の仕事は主に3つで「手術・外来・病棟業務」です。手術を手がけることが外科医の最大の特徴となります。医師の科の中でメス等を用いた手術をするのは主に外科です。手術する部位によって心臓外科医・消化器外科医などと専門が分かれています。
外来の業務は主に「診察」です。病院にやってきた患者に対して診察をし、必要であれば薬の処方もします。このような仕事は内科のイメージが強いでしょうが、部位や患者の症状によっては外科が診察した方がいい時もあるのです。特に外科手術が必要かどうかの判断は、外科医の方が内科医より正確にできることもあります。これらの理由から、外来の診察も外科医の重要な仕事になっています。
病棟業務は主に「入院患者のサポート」です。手術の前後に入院する患者は内科医ではなく外科医がサポートします。手術前の患者の様子を見ておく必要がありますし、手術後に容態が悪化した時に対応する必要があるからです。

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外科医になりたい人がとるべき道

外科医になるための進路は、まず医大進学から始まります。他科の医師と同様に医大には6年通います。その後に研修医として、内科・救急・地域医療などあらゆる科を回る初期臨床研修を2年受けます。研修が終わると、心臓外科・整形外科など各ジャンルの外科に配属されます。そこでさらに2~4年の研修を積んだ後、正式な外科専門医の資格を得られます。
他の科の医師が外科医に転科する際は、初期臨床研修は必要ありません。各外科での2~4年の研修を積めば外科医になれます。特に皮膚科医が整形外科・形成外科・美容外科などに転科する際は、元の専門との共通点が多い分野なので、研修の難易度も比較的低くなります。

外科医の専門性を高めていく方法

外科医の専門性を高めるにはまず「手術の練習」が必要です。練習方法の1つはシミュレーターを使うものです。シミュレーターは樹脂で作られた人体の模型で、メスで切った時の感触も実際の皮膚にかなり近くなっています。人体の模型は高価ですが、一部分の切除の練習は「小さい箱型の樹脂」で十分にできます。
手術の練習は「切除」だけでなく「縫合」も重要になります。手術した部位をすばやく正確に縫合する技術を、糸やスポンジなどを使って練習します。皮膚の代わりとして特によく使われるのはスポンジですが、外科医によっては鶏肉の皮などを使って練習することもあります。
もっとも手術のスキルが高まる方法の1つは「できるだけ多くの手術に立ち会う」ことです。多くの手術に立ち会うにはできるだけ長く病院にいなくてはいけません。また、当直中など「本来は仮眠していてもいい」という場面でも、あえて起きて立ち会う必要があります。ただでさえ激務といわれる医師の仕事で、このように自主的に仕事を増やすのはハードなことですが、もっとも成長する道でもあります。熱意が指導医に伝われば、手術中に簡単な手伝いを任せてくれることもあります。こうして徐々に経験を積み、外科医としての実力と実績を蓄えるわけです。
実際の手術に立ち会うだけでなく、過去の手術の映像を観ることも効果的です。映像だと気になった部分を巻き戻して観ることができるため、特に自分に不足している知識を補うことができます。映像は勤務する病院から借りることもできますし、学会が提供しているものもあります。
このように外科医が専門性を高めるためにできることはたくさんあります。他の科と比較して指先の器用さが重要な分野なので、器用さに自信がある人に向いているでしょう。また、外科医には手術のスキルも重要ですが、術後の患者のフォローや看護師・麻酔科医との連携など、コミュニケーション力が問われる場面も多くあります。外科医を目指す人や外科医への転科を考えている人はこれらの能力を総合的に獲得し、よい外科医になることを目指してください。

2022.6.17 掲載
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