医師の仕事・働き方・キャリアプランについて

知って損なし!消化器外科の役割と年収!

外科医の中でも専門性の高い消化器外科ですが、実際のところどのような仕事を行っているのでしょうか。勤務先の病院によっても求められる役割は変わってきます。得られる収入の差についても基本的なことだけでも知っておきましょう。

消化器系の手術のプロ!消化器外科の役目

消化器外科の大事な役割として手術があります。手術を行う際には、まず患者に適した手術法の選定、手術によって切除する範囲や手順を決めるなどします。さらに、事前の準備も怠れません。患者の栄養管理や安全性の確認などで数週間かかることもあるのです。
いざ手術日が決まったならば、患者への説明を行います。今の病状や治療成績、可能性のある合併症についての説明となります。
がんなどの手術であれば、外科医が2名以上、麻酔科医、看護師も2名以上の体制で臨みます。患者の様態や手術法によって10時間以上かかるものもあります。手術後にも実施した手術の説明をします。入院中には病棟を回診し、術後の様子を観察し必要があれば検査や傷の処置も行います。
また、手術だけではなく、がんであれば放射線治療や抗がん剤の投与なども担当しています。外来で診察を行う場合には、内視鏡や超音波のほかCTやMRなども使って患者を診ます。検査機器や治療手法の進化のおかげで消化管の出血やポリープ、そして早期のがんであれば内科的な治療も出来るようになってきています。

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生きるために必要な消化器の代表的な疾患

消化器官は食べたものを消化し吸収して外部へ排出するまでに関連する臓器です。生きていく上で欠かすことのできない部位です。具体的には食道・胃・十二指腸・小腸・大腸・肝臓・脾臓・すい臓などがそれにあたります。
これらの中で多い疾患は大腸がんに胃がんです。他には胃液で粘膜が傷つく胃潰瘍、大腸の内側の粘膜面にできる隆起性の病変である大腸ポリープ、ストレスによる過敏性腸症候群などがあります。
消化器は不調があれば腹痛や嘔吐、下痢などの自覚症状が現れるために見付けやすくなっています。

他の外科とも比較!消化器外科の年収とは?

働く地域や施設によって幅がありますが、大学病院や国公立病院に務める消化器外科医では大半で年収1000万円を超えています。民間の場合でも1000万円を下回る人はわずかです。
手術を行う外科の中でも消化器外科はかなり専門性の高い医科です。若いうちに外科全般で幅広く経験を積み、その後に消化器の専門医となるコースを選ぶ人が多くなっています。それだけに、大学病院などで専門医となるころにはベテランとなっているため給与水準も高くなる傾向があります。規模の大きな病院であれば、がんの摘出手術のような高度な技術を要されるために民間病院よりも年収が高くなります。それに対して、盲腸や痔といった難易度の低い手術が多いのが民間病院です。勤務先がこうした疾患をメインに扱っていれば、年収が低めになることもあります。
年収を増やしたいのであれば、難しい手術ができるような技術を磨き大きな大学病院や国立病院への転職を視野に入れましょう。

消化器外科の今後の需要と方向性

食生活の欧米化などに伴って消化器官にかかる負担は大きくなってきています。それだけに、消化器外科はこの先も需要が高まると考えられます。
消化器官は数多くの臓器から成り立っているため、それらすべてについて治療と手術を行うための知識と技術が消化器外科医には求められます。それだけに、手術ミスや治療ミスによる訴訟のリスクがつきまといます。残業やオンコール対応なども負担に思う人も多く、消化器外科医は不足しています。縫合や胃ろうの腕があれば今後増えるであろう療養型の病院に転職することもできます。また、内視鏡の技術に長け消化器内科の知識があれば健診機関で働くことも可能です。緩和ケアを中心に行う病院もがんの増加とともに増えていて、選択肢に加えることができるでしょう。

2022.6.17 掲載
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