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#70 血液内科が診る疾患とは?年収や需要はどうなの?

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内科や外科などのような科と比べて、設置している病院が少ない血液内科。患者として受診する際にもあまり縁がないという方が多いのではないでしょうか。血液内科とはどのような科なのでしょう?年収や将来性などの気になる点をご紹介します。

血液内科が診る疾患とは?年収や需要はどうなの?

血液疾患のプロ!血液内科が診る疾患とは?

血液内科は、その名のとおり血液の疾患を診る科です。内科に属していますが、その中でも血液分野に特化しています。主に血液細胞や骨髄、リンパ節、止血の異常を扱っています。
血液疾患とは血液成分の減少または増加によって引き起こされる疾患です。代表的な疾患では白血病を耳にすることが多いですが、そのほかにも悪性リンパ腫、血小板減少症、多発性骨髄腫、血友病、骨髄異形成症候群などがあります。また、より身近な疾患として、鉄欠乏性貧血、悪性貧血、溶血性貧血、再生不良貧血などのような貧血疾患も診療の対象です。
いずれにしても血液内科が診療する疾患には悪性や難病といわれる病気や重篤化しやすい病気のような難しいものが多い傾向にあります。そのため血液内科の医師には専門的な知識と高い技術、豊富な経験が必要で、これらを備えた血液内科の医師は血液疾患のプロと称されています。

血液内科になるためのプロセスとは?

血液内科医になるには、ほかの科の医師と同じように大学の医学部で6年間学んでから医師国家試験を受験し、合格して医師免許を取得する必要があります。その後、2年間の初期研修期間を経て血液内科に入局することで、初めて血液内科の医師として働くことができるようになります。しかし、初期研修期間は専門の科で研修するわけではありませんので、さらに専門分野での研修をするために3年間の後期研修を受けることがほとんどです。したがって、血液内科医になるまでの研修期間は合計で5年に及ぶのが一般的でしょう。

血液内科の需要と将来性!年収推移も!

血液内科は専門性がとても高く、さまざまな科を有する大きな病院の中でも設置している数は限られています。そのため、血液疾患の中でも貧血などの多くの疾患は内科で治療されることが少なくないのが現状です。しかし、血液のがんや血友病のような重病や難病の場合は血液疾患の専門である血液内科で治療するようになります。そのため、数の限られた血液内科の需要は高いといえるでしょう。
血液内科医の平均年収は約1350万円で、1300万円~1400万円の間にもっとも集中しています。これは数ある診療科の中でも平均的な部類です。入職時は1000万円ほどからスタートすることもありますが、勤続年数や求められる診療内容などによって1200万円~1400万円までに上がります。また、血液内科を有する病院が少ないため転職もあまり多くありませんが、転職での収入アップによって1600万円ほどにまでなります。中には2000万円に達する場合もあるので年収アップは十分見込めますが、勤続年数が10年以上の場合に限られる傾向にあります。

重要な疾患を見逃さない!血液内科の注意点とは?

血液疾患は完治の難しいものも多く、症状は全身に及びます。血液疾患が疑われる場合に行う骨髄検査では血液内科医が中心となりますし、診断までのプロセスの中でもその役割は重要です。その上で、重篤になるような疾患を見逃さないために他科と密接に連携することが大切です。また、血液疾患には循環器系や呼吸器系、内分泌系などの合併症を伴うことも少なくないため、合併症への十分な理解も求められます。
そして、スムーズかつしっかりとした治療を行うには、医師と患者の信頼関係が欠かせません。血液疾患はその重篤さから完治が期待できないものもあり、患者が精神的な不安を抱える場合が多くあります。医師と患者間で信頼関係を築くためにも、根気よく丁寧に患者と関わろうとする姿勢を心がけて日々の診療にあたる必要があります。

2022.6.16 更新
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