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腎臓内科が扱う疾患や役割とは?年収や需要も!

一般内科などと比べれば、腎臓内科は歴史の浅い診療科です。腎炎やネフローゼ、腎臓病などのほか、最近では生活習慣病に伴う慢性腎不全が増えています。診療領域も広がっている腎臓内科ですが、今後の需要や年収について基本を押さえておきましょう。

重篤な病も!腎臓内科が扱う疾患とは?

こぶし大の大きさの腎臓は体を正常に保つために働く大切な臓器です。その役割は、老廃物を体から排出し、血圧も調整します。また、骨髄の中にある細胞へ働き掛けて血液をつくる指令を出しています。さらには、体液量やイオンバランスの調節も行っています。このため、腎臓に不具合があると体液の調整に不具合が生じ、むくみとなって現れます。また、カルシウムを吸着させるのに欠かせない活性化ビタミンDも腎臓で生成しています。
腎臓の病気の多くは症状に出にくく患者が自覚しにくいという特徴があります。健康診断で異常を指摘されてやってくる患者も多いのですが、その中には重い病が隠れていることもあります。腎臓の働きが非常に低下してしまうと老廃物が排出されず、さまざまな症状となってようやく表に出てきます。
腎臓の病気を大きく分けると、ネフローゼ症候群や腎炎のほか、腎がんや腎結石などがあります。前者は腎臓内科の領域ですが、後者は泌尿器科になります。また、腎盂腎炎などは両方の診療科で扱います。
それぞれの病気には急性と慢性があり、急性の場合には症状が時間単位で悪化します。短時間で腎臓の機能が低下して尿が出なくなることもあります。慢性の場合には水面下で静かに進行します。それだけに気づかないことがほとんどです。

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他科との連携も!腎臓内科の役割!

腎臓内科医の役割は腎臓の不調を早期に見つけ出し進行を防ぐことです。また、透析が必要となった患者に対しては、生活を乱すことなく一人ひとりにあった透析を行うことです。
腎臓内科では他科との連携が必要となることも少なくありません。原発性アミロイドーシスなどは血液内科と協力して治療にあたることがあります。肝移植や腎の腫瘍を手術する際には外科医の手を借りることとなります。透析が必要な患者の場合、腎臓以外にも循環器系などに合併症を抱えていることがあります。その場合にはその分野の主治医に判断を仰ぎながら治療を進めることとなります。

腎臓内科の年収と今後の需要や方向性とは?

腎臓内科医の平均年収は約1500万円です。求人の中には2000万円を提示している病院もあります。これは、透析などの臨床経験や技術に長けている場合などに限りますが、無理ではないということです。
収入をさらに増やしたいのならば、透析管理のアルバイトをスポットで受けることもできます。透析管理のアルバイトはスケジュールがきっちり決められているので急変がない限りは負担が少なく収入アップが見込めます。日本の透析システムは世界一との評価がある一方、腎移植に関しては欧米におくれをとっています。その背景には多くの透析患者の存在があります。また、生活習慣病の増加に伴って糖尿病患者も増えたことで、腎不全の数も上昇しています。慢性腎臓病という考え方が取り入れられるなど、腎臓内科が求められる役割は以前に増して強くなっています。

患者のQOLも!腎臓内科の注意点

症状が重くなってからでは透析や腎移植などの代替医療に頼ることとなります。透析ともなれば、時間的にも肉体的にも患者にとって大きな負担となります。現代のライフスタイルで増えている慢性腎臓病は新たな国民病とさえいわれています。高血圧や糖尿病などの生活習慣病との関連も深く、早期に発見して治療を行うことが肝要です。誰もがなる可能性のある疾患を担当する腎臓内科医として、患者の生活の質を保つためにできることはたくさんあるはずです。
患者のかかりつけ医などと連携を密にし、患者の様子を観察し異変を見逃さないように心がけましょう。

2022.6.15 掲載
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