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意外な病も扱う耳鼻咽喉科の将来性や年収!

耳鼻咽喉科というと耳や鼻、のどの直接的な疾患だけを診ているように思えますが、実際に扱っている領域はめまいやいびきなどといった意外なものまであります。開業する人も多いのが耳鼻咽喉科ですが、その将来性や年収はどうなっているのでしょうか。

耳鼻咽喉科が扱う知られていない病気とは

耳鼻咽喉科が扱う知られていない病気とは

耳鼻咽喉科の担当領域となるのは、その名の通り耳や鼻、喉です。しかし、それにとどまらず、口腔内や気管、食道までも診察しています。唾液腺・甲状腺といった器官の疾患があれば治療を行います。一般的には鼻風邪、のどの風邪、咳、痰、鼻炎、耳掃除の患者が大半ですが、それ以外にも扱う病気は数多くあります。
例えば近年増加しているアレルギーなどは、花粉症では季節的に多くの患者が訪れます。そして、めまいは鼓膜の奥にある前庭や半規管などの平衡感覚をつかさどる器官の異常です。メニエール病や突発性難聴であれば耳鼻科疾患となります。顔面麻痺は鼓膜の奥に走る顔面神経が影響するものです。目が閉じにくかったりコップの水を上手く飲めなかったりすると顔の麻痺の可能性があります。病気とは思われないかもしれませんが、いびきも耳鼻咽喉科が担当する分野です。鼻詰まりや扁桃腺、舌が大きすぎるなど耳鼻科領域が原因になっていることが往々にしてあります。子どもであればアデノイドの可能性もあります。また、味覚障害や口内炎も扱います。
このように、耳鼻科の果たす役割は幅広いものになっています。

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耳鼻咽喉科になるためには?心構えや方法は?

耳鼻咽喉科になるためには?心構えや方法は?

専門性の高い耳鼻咽喉科を目指すには、他科以上に仕事を追及する姿勢が求められます。診断から治療まで一貫して一人の医師がかかわることができ、幅広い年代の患者と接するのが耳鼻咽喉科医です。患者のQOLに関心を持って向き合っていける人が向いているといえます。
医師になってから耳鼻咽喉科へ進むにはさらに専門性を高めなくてはなりません。研修医であれば後期研修で大学の耳鼻科医局に所属することが早道です。一般の病院に就職して経験を積むという方法もありますが、限られた領域しか学べない恐れもあります。

開業医と勤務医の年収比較!

開業医と勤務医の年収比較!

気になる年収については、勤務医で1000万円から1500万円程度、開業医で2000万円程度となっています。
耳鼻咽喉科医では勤務医と開業医の割合が均衡しています。他の医科と比べると開業医の割合は多く、独立しやすいことが分かります。しかし、開業医になるためには医学的な知識のほかに経営者としての知識やスタッフ管理、マーケティングに関する知識などすべてに関して自ら行わなくてはなりません。経理やマーケティングを外部に任せれば、それだけ費用がかかってきます。開業のための施設導入などで多額の資金も必要です。開業医として軌道に乗るまでは返済に充てる分もあります。勤務医以上に事業主としての重圧も常に感じながら仕事をすることになるでしょう。
勤務医は拘束時間が長く収入の面で不満が出る半面、自分が病気の時などに保障が受けられたり退職金があったりするなど組織に守られているという安心感もあります。

耳鼻咽喉科の将来性と注意すべき点

耳鼻咽喉科の将来性と注意すべき点

耳鼻咽喉科が扱う領域は幅広く、上部消化器官では咀嚼や嚥下機能、上気道では呼吸・音声言語のような重要な感覚器官が集まっています。もちろん、顔も社会で暮らしていく上で大切なものです。食事をきちんと口から食べることができれば、高齢者の食を維持することができます。呼吸や発声の問題が無くなれば、外出し人とかかわることも苦ではなくなります。顔のコンプレックスで悩まなければ対人関係も変わります。このように、耳鼻咽喉科が治療することで患者の生活の質を向上させることにつながります。
現代では何らかのアレルギーを持つ人の数が増えています。高齢化が進む中では加齢による疾患も増えてきています。聞こえの問題や味覚の障害、嗅覚の障害、嚥下障害、バランス感覚の衰えなどに悩む人も減ることはないでしょう。耳鼻咽喉科はこれからも必要とされる医科です。ただし、医師の中でも耳鼻咽喉科医は多い方です。そして、新しく目指す人はそれほど増えていません。つまりある程度飽和状態といえますので、開業を視野に入れている場合などはよく検討する必要があります。

2022.6.15 掲載
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