医師の仕事・働き方・キャリアプランについて

#67 まだまだ認知されていない心臓血管外科の診療内容と年収!

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外科の一種だということは想像できるけれども、具体的な仕事内容までは知られていないのが心臓血管外科です。手術を行うことがメインの職場ですが、他の科と何が違うのでしょうか。その内容と年収に迫ってみましょう。

まだまだ認知されていない心臓血管外科の診療内容と年収!

命に関わる病に向かう心臓血管外科の役割!

心臓血管外科医は特殊でマイナーなイメージがありますが、最近ではさまざまなメディアに取り上げられることが増え、世間一般でも徐々に認知されるようになってきました。仕事としてまず思い浮かぶのは長時間に及ぶ大手術というものでしょう。専門的な技術を有した心臓血管外科医と高価な医療機器、そして熟練のスタッフがいて初めて成立する医科です。
循環器内科で検査を受けた結果、心臓の手術が必要だとされた患者を受け入れます。また、自身で不調を感じた患者を受診し、心臓や大動脈の手術を行うこともあります。倒れて緊急で運ばれた患者の対応もあります。そうした患者を速やかに手術し、早いうちに退院し社会復帰させるという社会的な役割が心臓血管外科にはあります。

心臓血管外科が診る疾患の種類とは?

心臓血管外科の対象となるのは、大きく分けて心臓疾患、大血管疾患、末梢血管疾患、静脈血管疾患となります。
その中でも主となるのが心臓疾患です。特に冠動脈疾患と弁膜症が多くなっています。冠動脈疾患では狭くなった血管の先にバイパスを作ります。いきなり手術ということはまれで、まずは内科で精密検査を受けて必要があれば投薬治療からスタートします。風船療法などでも駄目だとなれば、心臓血管外科の出番です。弁膜症では新しい手術法も確立され早い段階から手術が行われるようになってきました。
大血管疾患では動脈硬化による大動脈瘤や大動脈解離が挙げられます。末梢血管疾患では上肢や下肢の血管が何らかの原因で詰まることで起きる慢性動脈閉塞症があります。静脈疾患では下肢静脈瘤の患者が多くなっています。
どの疾患でも患者はまず内科や整形外科を受診し、そこから紹介されてやってくることが大半です。中でも心臓疾患となれば循環器内科との連携も必要となってきます。

他科よりも高い?心臓血管外科の年収は?

高収入となっている外科一般ですが、心臓血管外科に関してみれば外科医の中では年収水準は高いとはいえません。心臓血管外科医が取り扱うのは複雑に血管が張り巡らされた心臓周辺の疾患です。そのため手術が治療の中心となります。収入を左右するのは医師のスキルによるところが大きく、手術補助のレベルであれば1000万円程度となります。臨床経験が上がるのに比例して収入も上がります。しかし、求人をみても上限は2000万円程度であることからも、収入の面では勤務医で2000万円を超えることは難しくなっています。平均としては約1500万円程度です。

心臓血管外科の重要性と注意点!

命に直結する心臓疾患は直接患者を救います。それだけに、なり手が減少しているとはいえ、社会的使命が課されている職業です。そして患者の命を救うことに直接関わることができるのは、医師にとって大きなやりがいとなります。
医師の中でも手術を日常的に行う外科医は、確かな技術力はもちろんのこと、体力と精神力がタフでなければ務まりません。専門性が必要とされ、緊急性の高い命に関わる手術を多く扱うことになる心臓血管外科の医師は多くの科の中でも、とりわけ過酷な労働条件となっています。心臓疾患による手術は、外科の手術の中でも長時間に及ぶものが多くなっています。激務の中で行うのが高度な技術を要する手術となると、医療事故の可能性も上がり訴えられる恐れもあります。特に、医師不足が深刻な病院で勤務する場合には深夜や休日に駆り出されることもあり、プライベートの充実が難しくなります。勤務先を選ぶ際には、医師数や勤務体制などをしっかりと確認しておくことが重要です。

2022.6.15 更新
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