医師の仕事・働き方・キャリアプランについて

#66 知られていない神経内科の大切な役割と年収推移!

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その名称だけでは精神科などと紛らわしく、内容も分かりにくいと思われているのが神経内科です。実際にどのような問題を扱い、どんな役割を果たしているのでしょうか。各科の中での年収水準などを含め、収入についても探っていきます。

知られていない神経内科の大切な役割と年収推移!

分かりにくい病を判断する神経内科の仕事内容

イメージしにくい神経内科がよく混同されているのが精神科、神経科、心療内科です。「神経」という言葉から精神に結び付けてしまうのでしょう。これらの科では、気分の変化によるうつ病や躁病といった精神的な異常を対象とします。もしくは、精神の不調が体に悪影響を及ぼし引き起こされるような病症を扱うこともあります。
神経科がこうした科と違う点は、確たる原因を見付けられることです。神経内科の分野では脳や脊髄、神経、筋肉などを検査することで何らかの異常が発見され、各部位に対する専門的な治療を開始することができます。
神経内科に訪れる患者の症状は多岐にわたり、何が原因になっているか分かりにくいものも多くあります。めまいやしびれに始まり、歩行障害やひきつけ、体の震え、物忘れ、頭痛、言語障害、体に力が入りにくいといった症状がそれにあたります。症状はひとつだけでなく、重複していることもあります。神経内科医はこのような症状から何が原因となっているのかを見極めることが求められています。

多岐にわたる!神経内科が扱う疾患!

神経内科がカバーする領域は脳や脊髄といった中枢神経、末梢神経、筋肉です。それだけに扱う疾患も呼応して多くなるのも道理です。具体的な病気としては、脳梗塞、脳出血に代表される脳卒中、パーキンソン病や筋萎縮性側索硬化症といった変性疾患があります。さらに、アルツハイマーや脳血管性痴呆などの認知症や重症筋無力症、多発性硬化症、ギラン・バレー症候群などの神経筋免疫疾患、髄膜炎、脳炎などの神経感染症です。
診断の結果、原因が明確になれば専門の科に回します。精神的なものが原因であれば精神科へ、関節や骨に要因があるのならば整形外科へ、視覚や聴覚の問題であれば眼科や耳鼻科へというような具合です。神経内科でも手術を伴う脳出血やくも膜下出血などを除き、脳梗塞などを神経内科で治療することもあります

神経内科の年収推移と医師数の推移

神経内科医は内科医の中でも年収が高いといえます。2000万円台の求人も珍しくなく、しかもそれは都市部だけに限ったことではありません。他の科では地方では年収が高いとしても、希望する人が多くなる都市部では提示されている年収が下がる傾向があります。しかし、神経内科医は地域差が少なくどこへ行っても高収入が望めます。
そのような神経内科医の数は医師のうちでは多くも少なくもなく中ほどとなっています。

神経内科の将来性と注意点とは?

これから神経内科医を志すにあたって、知っておきたいのはその将来性です。超高齢化が今後も進行すると予想されている日本では、神経内科医の需要が増えることはあっても減ることはなさそうです。患者が増えることが予想され、さらに神経内科医が十分に足りている状況ではないからです。脳科学の研究も高いレベルで進化していて、医療技術への応用も神経内科の発展を後押ししてくれるでしょう。また、専門性の高い神経内科医は総合病院でも欠かせない存在として求められています。
ただし、神経内科医の扱う領域は大変幅広く、症状からいったい何が原因となっているのかを突き止めることは知識と経験がものをいいます。患者を適切な科に送れるように、全身を診ることができるようにしておかなければなりません。総合病院などでは神経内科医のところには他では原因が分からない患者が回されてくることもあります。つまり、神経内科医はスペシャリストとして頼りにされる存在なのです。医師になってからも生涯にわたり学ぶ姿勢が必要です。

2018.6.20 掲載
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