医師の仕事・働き方・キャリアプランについて

#61 勤務医が直面する医師退職金の内容!

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医師のキャリア設計を立てる場合、退職のことも頭に浮かびます。その際、勤務医が退職するときに退職金をもらえるのか気になるところです。勤務先の病院から退職金が出ないと、老後の生活に不安を感じてしまう場合もあるでしょう。そこで、勤務医の退職金事情はどのようになっているのか見ていくことにします。

勤務医が直面する医師退職金の内容!

医師の退職金制度とは?一般との違いがあるの?

就業規則に退職金を支払う旨が記載されている場合にはじめて、経営者は労働者へ退職金の支払い義務が発生します。そのため、病院も一般企業と同様に退職金制度は存在します。しかし、医師退職金の支給に関しては、一般企業と違う面も多いです。大学病院の勤務医の場合は、退職金が支給されないケースも少なくありません。医局内で異動になると、勤務年数が一旦リセットされてしまうのがその理由です。病院が就業規則で退職金制度を定める場合、通常、勤務年数が3年以上を条件にしています。そのため、勤務医が退職する際、退職金支給の条件を満たせない場合が多くなってしまうのです。
民間の病院の場合は、就業規則に退職金制度が設けられていれば支給されます。しかし、病院の中には、毎月の給料の中に退職金分も含めていて、就業規則に退職金制度を設けていないところも多いです。そのようなことから、民間の病院へ就職する場合は、就業規則に退職金制度が設けられているか否かを確認しておいたほうがよいでしょう。

医療機関によって違う退職金計算方法とは?

一般企業では、「かけ算型」、「定額制」の方法で退職金の計算をするのが一般的です。かけ算型とは、退職時の給与額に勤続年数ごとに定められた係数を乗じて算出する方法で、主に大企業で使用されています。定額制とは、勤続年数を基準にしてそれに対応する係数を乗じて計算する方法です。
医療機関もこの2つの方法で退職金の計算を行っているところもありますが、ポイント制を採用している医療機関も少なくありません。ポイント制とは、支給対象者の勤続年数、職能等級、役職などをそれぞれポイント化して、その合算ポイントに単価を乗じて計算する方法です。ポイント制はかけ算型や定額制よりも能力主義が反映されやすいという特徴があります。医師は、業務上のスキルが評価の対象となりやすい職業です。そのようなことから、医師の退職金をポイント制の方法で計算する医療機関が増えてきたのです。

医師退職金を調べる方法とは?

退職金制度は就業規則で定められています。そのため、勤務先の病院に就業規則を確認させてもらえば、退職金を調べることが可能です。就業規則には、退職金制度の有無だけではなく、計算方法も記載されているので、支給を受けられる退職金のおおよその額も確認できるでしょう。勤務医が就業規則を確認したいと申し出た場合、病院側は原則それを断ることはできません。なぜなら、労働基準法では、病院側が作成した就業規則の内容を労働者へ周知させなければならないと定めているからです。そのため、病院側から就業規則を見せてもらえないのではないかと心配する必要はありません。
転職をしようとしている勤務医が、転職先の病院の退職金の有無を確認するにはどのようにすればよいのでしょうか。この場合は、転職エージェントを介して確認するとよいでしょう。病院では、勤務医が退職金について聞くという習慣があまりありません。そのため、本人が直接転職先の病院へ退職金について聞いてしまうと、悪い印象を持たれてしまう可能性があるからです。

豊かな老後をすごすため準備すること

勤務医は退職時に退職金をもらえないケースも少なくありません。そのため、退職した後、安心して老後の生活を送れるようにするため、早めに準備しておくことが大切です。まず、退職金をもらえないことを想定して、老後のために貯蓄しておくとよいでしょう。体が動く限り、一生懸命仕事をして多くの給料をもらうことができれば、その分貯金もたくさんできます。若い場合であれば、ある程度無理がきくので、当直のアルバイトをして稼ぐのもよいでしょう。老後も医師として働くのも1つの方法です。医師不足が叫ばれる医療業界においては、医師を必要としている病院も少なくありません。高齢になると年齢などの採用条件でネックになるケースもありますが、即戦力の医師であれば年齢を問わないところも存在します。収入を得ながら、長年培ってきた医師のスキルを活かして社会貢献できるので、経済的にも精神的にも豊かな老後を送ることができるでしょう。

2018.6.13 掲載
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