医師の仕事・働き方・キャリアプランについて

使命が高い産婦人科医の年収や適性とは?

生命の誕生に大きく関わる産婦人科医の仕事。赤ちゃんだけでなく、母親の体のケアも大切なため、責任感が強く求められます。そんな使命が高い産婦人科医に向いている人とは、どんな人なのでしょうか。また、年収はどれくらい得ることができるのでしょうか。ここでは産婦人科医の年収や適性などについて説明します。

どうすればなれる産婦人科医!その適性とは?

どうすればなれる産婦人科医!その適性とは?

産婦人科医になるためには、まず医科大学や大学の医学部で6年以上学ぶ必要があります。医科大学や医学部を卒業した後、今度はいろいろな診療科で研修医として勤める「卒後研修」を2年以上経験しなければなりません。卒後研修を終了した後に、産婦人科を選択することで初めて産婦人科医となることができます。
さらに、産婦人科医には「産婦人科専門医」と呼ばれる、産婦人科についての高い知識と技術を持ち合わせた専門医が存在します。産婦人科専門医になるためには、日本産科婦人科学会が実施する試験を受ける必要があります。しかし、試験は産婦人科医になってすぐ受けられるわけではなく、まずは日本産科婦人科学会が指定する病院で3年以上の研修を受けなければなりません。
また、試験には第一次審査と第二次審査があります。第一次審査では症例レポートや論文などの提出が求められ、第二次審査では筆記試験と面接試験を受ける必要があります。これに合格すると晴れて産婦人科専門医となります。
産婦人科医に向いている人は、精神的な強さを持ち合わせている人です。産婦人科医は赤ちゃんの誕生に立ち会う素晴らしい仕事ですが、時には悲しい瞬間と向き合うこともあります。また夜勤や当直も多いため、体力も必要でしょう。女性の精神的な支えとなることも大切なため、コミュニケーション能力の高さも求められます。

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使命高き産婦人科医だからこそ自分のQOLも大事!

使命高き産婦人科医だからこそ自分のQOLも大事!

QOLとは「Quality Of Life」の略で、日本語で「生活の質」という意味です。自分の生活がどれだけ充実しているかを表す概念であり、QOLが高いと充実度や幸福感が高く、QOLが低いと生活に満足できていない状態となります。
当直や夜勤が多いことで体力的に大変であることや、医療訴訟が多いといわれることなどから、産婦人科医のQOLは低いというイメージがあるようです。しかし、日本産科婦人科学会などの努力により、産婦人科における医療訴訟の数は減少傾向にありますし、産婦人科医を守る制度も向上しています。また、産婦人科医にとってQOLが大切であるという認識も強まっています。産婦人科医は、生命の誕生をサポートするという強い使命を持っている医師。だからこそ、充分に力が発揮できるよう、自分自身の生活を充実させる必要があるでしょう。

産婦人科医の年収推移と医師数の推移

産婦人科医の年収推移と医師数の推移

さまざまな診療科がある中でも、産婦人科医は比較的年収が高い職業です。勤務形態や勤務する病院などによって給与の額は大きく異なりますが、平均年収は約1500万円となっています。
年齢別にその推移を見てみると、20代の産婦人科医の年収は600万円未満であることがほとんどです。30代になると、1000万円から2000万未満の間と年収の幅が大きくなってきます。40代の産婦人科医の場合は、2000万円以上の年収を得ている人が半数以上となり、少ない人でも1000万円といったケースが多いようです。50代になると、半数近くの年収が1400万円から2000万円となり、2000万円以上稼ぐ人は3割ほどとなります。しかし、60代になると再び半数以上の医師が2000万円以上と、高い年収を得ています。
また、産婦人科の医師数の推移は次の通りです。厚生労働省が2年に1度行っている「医師・歯科医師・薬剤師調査の概況」の「診療科目別に見た医療施設に従事する医師数」によると、平成10年度の産婦人科医の数は1万916人でした。その後、その数は徐々に減少し、平成14年には1万618人、平成18年には9592人となってしまいます。しかし、平成22年には1万277人、平成26年には1万575人となり、少しずつですが増加傾向が見られます。

トラブルに巻き込まれない産婦人科医のポイント

トラブルに巻き込まれない産婦人科医のポイント

産婦人科医がトラブルに巻き込まれないためには、ガイドラインの把握が必要不可欠です。ガイドラインとは、より良い医療を実施するために作成された資料のことです。産婦人科におけるガイドラインは、日本産科婦人科学会と日本産婦人科医会が合同で発行しています。ガイドラインに沿った医療を実施することで、妊婦や赤ちゃんをはじめ、患者を守ることができるでしょう。
また、インフォームドコンセントを充分に行うことも大切です。インフォームドコンセントとは、医師が患者に治療方針などをしっかりと説明し、患者が納得したうえで医療を実施することです。このとき、インフォームドコンセントの記録をきちんと残すようにしましょう。患者やその家族に、リスクなどについて充分に理解してもらうことで、トラブル回避につながるでしょう。

産婦人科医についてよくある質問

"産科医""産婦人科医"の違いは、その診療範囲にあります。
"産科医"は、妊娠、出産、産後ケアなど、女性の出産に関連する医療を専門とする医師を指します。彼らは母体と胎児の健康を監視し、出産を管理し、必要に応じて緊急手術を行います。また、高リスク妊娠(例えば、多胎妊娠、高齢出産、既存の疾患を持つ母親など)の管理も含まれます。
一方、"産婦人科医"は、妊娠と出産に関連するケア(つまり産科)に加えて、女性特有の健康問題全般(婦人科)を診療します。これには、月経異常、子宮筋腫、卵巣嚢腫、不妊症、性感染症、乳がん、子宮頸がんなどの病状が含まれます。
要するに、産婦人科医は産科医の役割に加えて、非妊娠関連の女性の健康問題も診療する能力を持っています。このため、訓練と認定のプロセスは一般的により長く、包括的です。しかし、具体的な名称や役割は国や地域により異なることがあります。

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産婦人科医になるためには、大学での基礎医学教育の後、医学部を卒業し、医師国家試験に合格する必要があります。その後、初期臨床研修を経て、産婦人科の専門的な研修を受けます。この専門的な研修は数年間に及び、産婦人科の全領域をカバーします。研修の間には、婦人科的な診療、産科の診療、手術の技術、緊急対応能力などを学びます。
産婦人科医の業務は物理的、精神的にも厳しく、夜間や週末の出勤が必要なことが多く、また緊急事態に対応する能力が求められます。出産の支援や手術は高度な技術を必要とし、医師の判断が母体と胎児の命に直結するため、その責任は大きいです。
そのため、産婦人科医になるためには、高度な知識と技術、優れたコミュニケーション能力、耐久性、対人スキル、緊急対応能力などが求められます。さらに、医療倫理、患者のプライバシー、女性の健康に対する深い理解と敬意も必要とされます。
以上のことから、産婦人科医になるための難易度は高いと言えます。しかし、母体と赤ちゃんの健康を守り、新しい命の誕生を支えるという使命感と達成感は、その難易度を上回るものと言えるでしょう。

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産婦人科専門医は、婦人科と産科の領域における専門的な医療を提供する医師のことを指します。
婦人科とは女性の生殖器や乳房を中心とした疾患の診療を扱う領域で、性感染症、不妊症、子宮内膜症、卵巣嚢腫、乳がん、子宮頸がんなどの治療を行います。
一方、産科は妊娠、出産、産後のケアに関連する医療を提供します。産科医は母体と胎児の健康を監視し、出産を安全に管理します。
産婦人科専門医となるには、医学部を卒業し、医師国家試験に合格した後、通常は病院での一般的な臨床経験(研修)を積んだ上で、さらに産婦人科の専門的な訓練と教育を受けます。そして、一定の専門的な経験と知識を証明した後、専門医認定試験に合格することで産婦人科専門医と認定されます。
なお、国や地域によっては、このプロセスや要件が異なる場合があります。

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2018.5.30 掲載
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