医師の仕事・働き方・キャリアプランについて

#43 麻酔科医の勤務内容とは?年収はどうなの?

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麻酔科の医師というと痛みを緩和するイメージがありますが、実際には手術患者の全身管理に携わる大変重要な役割を担っています。表舞台に立つことが少ないため、その仕事内容は知られていません。ここではその実情に迫ってみましょう。

麻酔科医の勤務内容とは?年収はどうなの?

手術に必須!麻酔科医の役目とは?

大抵の手術では体にメスを入れます。そのため、何も処置を施さなければ大きな痛みと苦痛が伴うこととなり、そのストレスは術後の回復を妨げることもあります。そのために、不要な痛みを感じさせることなくストレスから患者を守りつつ手術を進行させるのが麻酔の役割です。
麻酔は大きく分けて全身麻酔と局所麻酔の2つに分類されます。全身麻酔では吸入麻酔薬を吸わせたり、静脈麻酔を注射したりするなどして一時的に脳を麻痺させ痛みを遮断します。対して局所麻酔では、手術する部分の痛みが脳に伝わらないように、神経を一時的に麻痺させるものです。手術では全身麻酔と局所麻酔を組み合わせて使う方法も採用されています。この場合、全身麻酔から回復しても局所麻酔で手術後の痛みは緩和されます。
このように、受ける手術の内容や患者の状態に応じて、より負担が少なくかつ安全な麻酔方法を選ぶのが麻酔科医の仕事です。手術の何日も前から患者を診察し、必要があれば検査を追加し準備を整えます。
そして、手術中にも大事な役割があります。実際の執刀医は外科医ですが、トラブルが起きないように患者の全身管理を担当しているのは麻酔科医です。麻酔で患者は意識を失っています。その患者に代わって、手術中の血圧や脈拍、尿量といった心臓や血液の流れを管理するほか、呼吸の管理も行います。患者は意識がなくても痛みを伴う刺激に反応して体に悪影響が出ることもあります。麻酔科医はそのような変化を観察し、異常があれば適切な処置を施します。
術後も痛みが強ければ鎮痛剤や麻酔薬を投与し痛みをやわらげます。痛みが弱ければ投与量を抑えるなどして過剰にならないようにしています。

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本当はどうなの?麻酔科医の年収を調査!

麻酔科医の年収は30代のうちは1000万円未満が大半で、600万円未満というケースも少なくありません。しかし、40代になると大半が1400万円を超えてきます。将来的には高収入を望めるでしょう。
専門性が高い麻酔科医では、他の医科では珍しいフリーランスという働き方もあります。これは、特定の病院に務めるのではなく、手術の予定に合わせて仕事の依頼を受け報酬を受け取るというものです。技術と経験しだいでは年収が2,000万円から3,000万円を超えるケースもあります

麻酔科医が不足?医師数の推移と傾向

日本では麻酔科医が不足しています。そのため、すべての手術で麻酔を麻酔科が担当することはできていないのが現状です。外科医が麻酔も行うことはあります。簡単な手術であれば問題はないのかもしれません。それでも、手術中に緊急事態が起きた場合など迅速な判断と処置が必要になります。麻酔科がいれば対応できますが、執刀医が手術に集中していればどうなるのでしょうか。やはり安全性や患者の快適さを考えるのであれば、麻酔のプロフェッショナルである麻酔医は必要です。
全身麻酔が必要な手術であれば、麻酔科医がいてしっかりと手術中の全身管理をしてくれる病院を選びたいのが人情です。病院も第三者機関により客観的な評価を受けるようになりつつあります。患者も病院の言いなりになるのではなく、自ら調べて病院を選択する時代がやって来ています。他の多くの科が飽和状態になりつつあるのに対して、麻酔科医は全国的に不足しています。今後も人材として麻酔科医が求められるでしょう。

麻酔科医のワークライフバランスはどうなの?

手術室の運営に深くかかわるため、麻酔科医の身体と精神は疲弊します。麻酔を扱う際には注意力や判断力を欠かすことができません。過酷な労働が続いて不注意からミスを起こせば患者の命が危機にさらされます。他の科以上に麻酔科医は自らも健康管理に対する意識を高く持つ必要があります。

2018.4.18 掲載
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まとめ

手術中のみでなく、何日も前から患者を診察し、術後も痛みが強ければ処置をする

30代のうちの年収は600万円未満も少なくないが、将来的には高収入を望める

専門性の高さから、他の科では珍しいフリーランスという働き方もできる