医師の仕事・働き方・キャリアプランについて

#15 働く人の健康を守る!産業医はやりがいのある仕事

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医者にもさまざまな職場があります。大学病院で最先端の医療技術研究に携わる医者もいれば、地域医療に関わる臨床医として活躍する医者もいます。また、他にも産業医という選択肢もあります。ここでは、産業医のやりがいや仕事内容などについてお伝えします。

働く人の健康を守る!産業医はやりがいのある仕事

臨床とはまた違う?産業医の仕事

産業医とは、事務所や工場などの事業場で労働者の健康管理について専門的な立場から指導や助言を行う医者のことです。労働安全衛生法では、一定規模以上の事業場には産業医を置くことが義務付けられています。専業で産業医をしている医者もいますし、開業医としての仕事をしながら一定の時間だけ産業医として働く医者もいます。産業医になるためには、厚生労働省の研修を修了するなど一定の要件を満たすことが必要です。産業医の仕事は多岐にわたり、会社の規模によっても仕事内容は変わりますが、主には従業員の健康診断や面接指導を行います。その他には、作業環境の維持管理についても指導や助言などを経営者に対して行ったり、従業員の健康保持増進に関する提言や衛生教育を行ったりすることも仕事です。健康障害が発生した場合の原因調査や再発防止の措置も仕事内容に含まれます。さらに、会社が設置する衛生委員会への参加、月1回の作業場巡視、従業員のメンタル面に問題が生じた場合に休職を命じたり回復の可否を判断したりする仕事があります。病気などが発生する前から関与するという点で、臨床とは違ったタイプの仕事といえるでしょう。

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産業医におけるやりがいとは

産業医の仕事は、大学病院や地域医療の担い手として働く医者とは違ったやりがいを感じることができるでしょう。なぜならば、それは予防医学的な介入ができるからです。臨床医はすでに病気などになった人に対して治療を行い、経過観察をします。再発防止のアドバイスを行うこともあるでしょう。しかし、いずれも事後的な対応になってしまうことは避けられません。患者が病院や診療所に来てくれない限り、対応できないことがほとんどです。しかし、産業医の場合は、日常の職場環境を巡視することによって病気やケガが発生するリスクを軽減することに貢献できます。また、従業員の健康に関する相談に乗ることによって、病気などの発生の予防に役立つこともできます。事後的な対応しかできないことに医者としての限界を感じている人は、産業医になることで予防医学に貢献し、より強いやりがいを感じられる可能性があるでしょう。工場における有害業務から従業員の健康障害を守ったり、メンタルの不調に対して早期アプローチを行ったりすることで、治療が必要になる前に手を打てる医者になることができます。

従業員に頼られる先生を目指して

臨床医の場合、一般的には病気になった患者がいることで患者と医師という関係が初めて生まれます。そのため、患者になる前段階からその人に介入することは難しいでしょう。しかし、産業医であれば、健康に関するコンサルタントとして病気などになる前から「頼れる専門家」として従業員や経営者との関係を築くことができます。精神的な分野も含め、病気などの健康に関することは専門的な知識が必要です。医療知識がない経営者や従業員にとっては未知の領域ともいえます。産業医はその分野について常に寄り添ってサポートできる魅力のある仕事です。従業員から頼られる先生を目指すことで、やりがいも感じられるでしょう。ただし、産業医は高いコミュニケーション能力が求められます。健康や安全に関心が低い従業員に対して啓蒙を行っていく必要もあります。産業医になって頼られる医者になるためには、医療の専門知識やスキルを磨くだけでなく、従業員や経営者と意思疎通できるようにコミュニケーション能力を磨いておきましょう。

2018.1.10 掲載
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まとめ

産業医は、病気などが発生する前から予防医学的にかかわることができる

厚生労働省の研修を修了するなどの要件が必要。勤務先によって、業務の規模も変わる

「頼れる専門家」として従業員に寄り添い、サポートできる