医師の仕事・働き方・キャリアプランについて

放射線科の医師の主な仕事は?どうやったらなれるのか

放射線科は医学と物理学の接点ともいえる分野で、医療の中でも独特の知識とスキルが必要とされます。ここでは放射線科医への入職や転科を目指す人のために、放射線科の仕事内容や対象とする症状、放射線科医になるための方法などをまとめます。

放射線科はどんな治療をする場所?

放射線科はどんな治療をする場所?

放射線科はがんの放射線治療やCTを用いた各症状の診断など、治療と診察の両方を行う科です。放射線治療が用いられるのはガンなどの重い病気に限られます。一般の人は主にCTやMRIなどの検査で放射線科を受診しています。放射線科医の仕事もこれらの検査の方が多いです。

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放射線科を必要とする症状には何がある?

放射線科を必要とする症状には何がある?

放射線科を必要とする症状は「診断」と「治療」で分かれます。放射線科で受ける診断は、使用する機器名で見るとわかりやすいでしょう。CTやMRI、血管造影装置などです。他にもPET-CTやSPECTなど多数の機器を用いて検査をします。一般の内科などの診断では発見できない症状でも、放射線科なら発見できることがあります。このため、予防医学でも注目されている分野です。
放射線の治療は大別して2通りで「放射線治療」「血管内治療」です。わかりやすく書くと「放射線治療はがん」「血管内治療はその他の病気」という形で使い分けられています。放射線治療は、全身のどの部位のがんに対しても適用できます。患者の体への負担もそれなりに大きいため、慎重に適用すべき治療です。
血管内治療は消化管出血や動脈閉塞、骨盤骨折など多様な症状に使われます。いわゆる「レーザー治療」のイメージに近いものです。動脈に栓をして出血を止める、逆に閉塞部を開いて血流を改善するなどの施術ができます。がんに対して適用されることもあり、主に転移性肝がんや肝細胞がんの治療に用いられます。これらの施術はすべて放射線科医の判断で行うものではなく、内科や外科などの要請を受けて行います。

放射線科はどこで学ぶ?資格はあるのか

放射線科はどこで学ぶ?資格はあるのか

放射線科医になるには、まず医大を卒業します。医大に放射線学科はありません。これは他科と同じで「専門の研修は勤務医になってから行う」という形式です。診療放射線学科がある大学はありますが、これは「診療放射線技師」という放射線科医をサポートする国家資格の取得を目指すものです。この資格は専門学校でも取得できます。
放射線科医を目指す人が医大を卒業したら、2年間の「初期臨床研修」を受けます。主要な科を一通り回るもので、他科の医師も最初にこの研修を受けます。初期臨床研修が終わったら「放射線科医」としての研修が始まります。この研修は3年で終われば「放射線科医専門医試験の受験資格」が得られます。この試験に合格すると放射線科専門医の資格を得られます。
しかし、まだ正式な放射線科医ではありません。ここからさらに2年間の「専門研修」があります。放射線科診断専門医と放射線治療専門医のどちらかを選んで、2年がかりで片方の専門医の資格を取得するのです。放射線で「診断」をするか「治療」をするかの違いといえます。内科と外科の違いに近いでしょう。

これからの医療でますます放射線は重要に

これからの医療でますます放射線は重要に

放射線治療は、医学の中でも特に物理学との接点が強い分野です。医学の進歩だけでなく物理学の進歩が影響するため、今後の物理学者の発見によっては飛躍的に進歩する可能性がります。放射線治療はがんの三大療法に数えられており、がんの治療技術の向上を望む人々から大きな期待を受けています。これらの背景を考えると、今後の医療業界で放射線科医の重要性はさらに高まっていくと考えられるでしょう。
医師を志す人の中でも、特に物理学が得意な人は放射線科医を目指すのもいい選択肢です。現代の医師の間では「治療より予防を重視したい」という考えが昔より増えていますが、放射線科医は病気の予防にも貢献できる仕事です。医師の仕事の中でも特に将来性のある分野の1つなので、興味があれば放射線科医になることを具体的に検討するのもいいでしょう。

2022.11.1 掲載
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