医師の仕事・働き方・キャリアプランについて

アレルギーや皮膚炎に対処!皮膚科の医師の仕事を紹介

皮膚科医は皮膚に関する全ての病気を取り扱うことから、幅広い知識や臨機応変な対応力を求められます。さらに、患者の心情に配慮したコミュニケーションの技術も欠かせません。そこで、皮膚科医の仕事や皮膚科医に必要な資格、資質などを紹介します。

皮膚科の仕事内容は?処置する症状など

皮膚科の仕事内容は?処置する症状など

皮膚科が処置をするのは皮膚にあらわれる症状だけではありません。体毛や爪の症状も皮膚科で対応します。診察の対象となる部位は顔や手足など体全体にわたり、非常に広範囲です。
ただし、皮膚に症状があらわれているからといって、かならずしも皮膚だけに問題があるとは限りません。先天的な体質やストレスが原因の場合もあれば、内臓など外から見えない部分に原因があり、結果として皮膚に症状があらわれているという場合もあります。たとえば小さなイボやほくろであっても、悪性黒色腫や皮膚がんなど、命にかかわる病気の兆候である可能性があります。このような重大な疾患をいち早く見抜き、適切な治療を施すのも、皮膚科医の重要な仕事です。

プロの転職エージェントに無料で相談する

皮膚科はどうやって患者を治すのか?薬品や施術について

皮膚科で対応する症状は非常に幅広く、治療に使用する薬品や施術方法もさまざまです。外用薬や内服薬を処方するだけでなく、症状によっては光線治療や手術を行う場合もあります。皮膚の疾患は内臓や神経、血液の状態に影響を受けていることも多いので、慎重に検査を行い、原因を特定しなければいけません。
また、円形脱毛症やAGAの治療を希望する患者には、専用の内服薬を処方したり、育毛剤の紹介を行ったりして、患者にもっとも適した治療法を提案します。さらに、美容皮膚科ではケミカルピーリングやビタミンCイオン導入、ヒアルロン酸注入などを用いて、肌のトラブルを改善します。また、ニキビや顔色のくすみなどに悩む患者には、日々のスキンケアの方法を指導したり、ホームケア用品を紹介したりするのも、皮膚科医の仕事の一環です。

皮膚科に求められる資格や資質は

皮膚科医として働くためには、大学の医学部で医療全般の知識を身につけたうえで医師国家試験に合格し、医師免許を取得する必要があります。これは、皮膚科以外の診療科も同じです。医師免許を取得したあとは、大学病院や認定の臨床研修病院で2年間の臨床研修を受けます。研修は知識や技術はもちろん、患者への対応など基本的な診療能力を身につけるために必要です。臨床研修を終え、医局で皮膚科医を選択した時点で、ようやく皮膚科医として働くことができます。
さらに、皮膚科には日本皮膚科学会認定の専門医制度があります。専門医としての認定を受けるためには、最低でも5年以上の臨床研修や症例研究などが必要です。医師としてスキルアップしたい人や開業医として活躍したい人は、学んでみる価値があります。皮膚科は肌のトラブルに悩む女性や子供が多く受診することから、特に女性医師の割合が高い診療科です。長時間の手術や緊急の呼び出しが少ないことから、ライフワークバランスを重視する人も皮膚科医を選択する傾向があります。もともとスキンケアに関心の高い人や、患者の悩みを身近に感じ親身に相談に乗ることができる人も、皮膚科医に向いているでしょう。

皮膚科は患者の外見に影響する重要な仕事

皮膚の疾患は人目につく部分でもあり、深刻な悩みを抱えている患者も多いです。時には思いつめるあまり大きなストレスを感じ、心身の健康を損なってしまう患者もいます。そのため、皮膚科医は患者の悩みや希望を聞き入れ、誠実に対応する必要があります。
さらに、皮膚科で施す治療は長期にわたる場合が多く、症状によっては一朝一夕で改善することは難しいです。なかなか症状が改善されないことから、患者の不安が大きくなったり、医師に不信感を覚えたりすることも少なくありません。そのような場合にも患者に対する細やかな配慮を忘れず、患者が納得できるように原因や治療法を説明する忍耐強さも、皮膚科医には欠かせない資質です。

2022.11.1 掲載
プロの転職エージェントに無料で相談する