医師の仕事・働き方・キャリアプランについて

#105 骨折や脱臼などで活躍!整形外科医のお仕事とは

整形外科医が多く扱うのは背骨や手足といったさまざまな関節です。これらの障害があれば患者の日常生活の不具合に直結するため、なくてはならない科です。手術を行うほかに、実際の現場ではどのような仕事をしているのかをご紹介します。

骨折や脱臼などで活躍!整形外科医のお仕事とは

整形外科医の専門は何?

大まかにいえば整形外科は骨や関節、筋肉、神経といった運動をつかさどる器官の機能障害を専門に扱う医科です。つまり、手足だけではなく骨、関節、筋肉、じん帯、腱、背骨、そしてそれらを動かす神経や血管までも守備範囲となるのです。そのため、整形外科手術は外科の中でも担当する範囲が最も広くなります。つまり、深く広い知識と経験が必要とされるということです。
近年では高齢化の影響で骨や関節、脊柱の変性疾患が増加傾向にある反面、加齢によるものではなくストレスから引き起こされる関節痛などもあり病状は複雑化しています。

手術だけが整形外科医の仕事ではない

外科という言葉の響きから整形外科も手術のイメージが強いかもしれません。しかし、仕事内容としては、手術のほかにも外来、当直、論文作成・研究などがあります。外来では、打撲、捻挫や骨折のほかにも関節の疾患や脊柱疾患、ヘルニアや骨粗しょう症などの患者の診察や治療も行っています。これらは手術をしない保存療法も行われます。骨折をとってみても、必要があれば手術はしますが、ギブスやテーピングでの保存的治療を選択することもあります。患者数の多い肩こりや腰痛では原因を探すことが肝要です。レントゲンなどで骨の状態を調べ確実な診断の元で治療を施します。
さらに、治療だけではなく各器官の機能回復についても欠かすことのできない業務です。具体的な作業としてはリハビリ、ブロック注射をはじめ、専用の器具を用いる物理的なアプローチで本来の機能を回復させます。運動機能が元に戻らなかった場合には、残された機能を最大限活用できるように努力します。

整形外科医にはどんな資格があるのか

整形外科医が扱う疾患は、外傷やスポーツ障害のほか高齢化による慢性疾患など多岐にわたります。運動器の全てに関わるわけですから、範囲が非常に広くなります。その中で専門を深めていくわけですが、日本整形外科学会が定めているものに整形外科専門医があります。これは、学会のガイドラインに沿って研修を受け専門医試験に合格することで認定されるものです。その他にも、日本整形外科学会が認定しているものがあります。それは、日本整形外科学会認定リウマチ医、日本整形外科学会認定スポーツ医、日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医、日本整形外科学会脊椎内視鏡下手術・技術認定医、日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医です。

整形外科医は患者の痛みと向き合おう

整形外科にやってくる人は幼い子どもから学童、成人、高齢者までと幅が広くなっています。子どもや成人は交通事故や怪我、スポーツの障害などが多く、高齢者では加齢による不調が増えてきます。それだけに、必要とする治療や回復方法も多様で、患者数も多いのが特徴です。確かに、心臓外科や消化器外科、脳外科などと比べれば、直接命に関わることは少なくないかもしれません。それでも、腰痛や関節の痛みなどを抱える人の数は多く、患者数そのものも内科に次いで多くなっています。
生活の質を落とすことになる運動器の障害は、命に関わることがなくても患者にとっては辛いものです。腰痛や神経痛などの痛みも、消えずにいつも苦しんでいる高齢者も少なくありません。また、交通事故の怪我の後、リハビリを必要としていれば長期間回復までに時間がかかります。スポーツ障害の患者も速く復帰したいと回復を急ぎがちです。まずは焦らず今の自分を受け入れられるようにすることが大事です。医師は患者と向き合いながら最終的には自立した生活を取り戻すことができるように、患者の声に耳を傾けサポートしながら治療を進めていく姿勢が問われます。

2022.11.1 更新
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