ドクター転職ショートストーリー

めぐりあえたら…(上)

2015年05月15日 コンサルタントI

S先生との出会いは10月中旬、先生へお電話をさせて頂いてからであった。

ご登録させて頂いている先生方へ、定期的に近況をお伺いさせて頂く為のご連絡をしていた。
S先生は当時、非常勤にて3箇所をすべて半日のご勤務。今後は週4日で常勤でのご勤務を考えられていた。しかし先生としては、どのような業務内容を希望されているのか。未だお考えはまとまっていなかったご様子であった。一つ言えることは通勤時間が短いという希望。エリアだけは決まっているようだ。

先生の本音を聞きだし、ご満足して頂ける転職を実現する為、先生と直接お会いし、詳細を伺うこととなった。

ご面談のお約束後、電話を切ってからS先生のご専門・これまでの職歴から想定される業務内容を行なっている医療機関を探したところ、医療機関からは乳腺外科ということもあり『非常勤1日ならば・・・』との返事が多く、通勤時間との絡みもあり、なかなかの苦戦であった。それでも先生とお会いするまでに、幾つかご提案できる医療機関は見つけることはできました。

ご面談当日、S先生は少し緊張した趣で挨拶をされたように感じました。履歴書を基に、これまでにご勤務された医療機関について先生が思う良い点・悪い点をそれぞれ心に残ったところをお聞きした中で、本意ではない勤務もされていたことがわかりました。

実は現勤務先のひとつで勤務日数の減少があったという。その為、収入面も含めての常勤での検討とのことでした。話が進む中、『現勤務先をできれば続けて行きたい。長い間、診て来た患者さんを見捨てる訳にはいかない。』とS先生の本音が色々とみえてきた。曜日が限られ勤務日をマッチングすることは困難で、医療機関への交渉が必要となり、かなりハードルが上がってしまった。しかし先生の熱意を受け止め、なんとか実現してみせると、私も強く思い始めた。

それらを踏まえ、用意した中でS先生の出身地にゆかりのあるグループのクリニックをご紹介した。『近いですね』先生からの一言である。先生の最寄駅から10分程度と立地についてはこれ以上ないと思う。業務についてもS先生のご専門を生かせる内容となっており、年棒についても問題はない。しかし事前にクリニックからヒヤリングした勤務曜日が重なっている。先生には勤務曜日の交渉はこれから行なうとのことを了承して頂き、クリニックへS先生をご紹介していくこととなった。

医療機関への交渉開始。勤務曜日の変更は可能かS先生のお人柄など人間的な面をアピール、さらにご経歴などから、クリニックとしてメリットになるであろうと、是非検討頂きたいと強く推薦いたしました。

クリニックからは不可能ということはないが様々な院内調整が必要となるため、まずはS先生とお会いしたいとの回答であった。当然院内調整は必要であろう、しかし調整不可の回答が来なかったことは一歩前進である。早速先生に連絡を取り、面接の日程を決めました。

面接当日、出席者は地域統括本部長、事務局長にて行なわれました。
先生も緊張されてか、多少元気がないように感じました。ただ、これまでのご経歴等説明するにつれ、クリニック側もS先生に興味を抱いていることが、会話の内容で分かり内心ほっとしました。

その後、実際の業務を把握している看護師の方に業務の詳細を伺うこととなった。これはクリニックとしてS先生をかなり前向きに検討している状況であると思った。
そしてある意味本題の勤務曜日の件である。看護師の方を含め診察室、設備の空き状況、現在の患者数、それぞれの状況を把握したところ、状況はかなり厳しいことが判明しました。すると本部長からグループ内の別病院へ1日だけ勤務をして頂けないかという提案があった。その病院でもS先生の専門である診療科を立ち上げるのだという。立ち上げということもあり、1日勤務のみである。

これはこれで前進か後退か微妙である。1日だけではあるが、当然通勤時間は長くなる。しかし勤務日の調整は付き易くはなる。S先生は正確な場所を把握しておらず戸惑っているそぶりを見せられたので、その場で通勤時間を調べたところ、週1日ならば先生の許容範囲とのことであった。

クリニックとしてはS先生を迎え入れたいが、その場では勤務曜日について関係部署との調整が必要な為、結論は出なかったがお互いに前向きに進めることとなりました。
帰り道、先生にクリニックの印象を伺ったところ、『業務内容も問題ないので、後は勤務日だけですね』とかなり前向きの様子でした。先生も現勤務先の曜日変更を調整してみるとのことで、その日はお別れいたしました。

次へ続く

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