ドクター転職ショートストーリー

お疲れの理由は……(上)

2004年06月01日 コンサルタントH

仕事柄、様々な先生とお会いするのが日常であるが、その中には首をかしげるぐらいお疲れの先生がいる。昨年末にお会いした40代のF先生も、そのような先生のお1人であった。
このF先生、専門は外科なのだが、現在は内科医として勤務している。特に勤務先に不満はないようだが、実家近くの病院に元通り外科医として、しかも家に家族を残して転職したいとのご希望である。単身赴任を希望される理由を尋ねると、「実家で1人住まいの父親を介護しなければならないから」。
なるほど、少し見えてきた。現在のお住まいの家からご実家まで、勤務先の病院を挟んで100キロ少し。しかしいまだ解せない。今の勤務先は忙しいことで知られる病院ではなく、むしろその逆である。それがこんなに疲れるものだろうか。さらにお話を聞いてみると、当直のアルバイトを数多くこなしているという。その理由は「実家を父親のために改築したから」。

また少し見えてきた。さらによくお話を聞いてみると、なんと勤務先での当直が週1回、2つの病院でそれぞれ週1回の当直バイト、そのうえ週末は別の病院で日当直…。疲れるはずである。また、アルバイト先の病院は、どれも常勤の病院から遠く離れているときている。実家と勤務先、アルバイト先の病院の間を行き来して、月間走行距離は優に5000キロ超。これが「お疲れ」の真の理由であったかに思われた

次へ続く

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