「医師として」メインタイトル
家族との約束を胸に〜79歳の新たな挑戦をされる先生の転職活動とは?
 

第四十二話
家族との約束を胸に〜79歳の新たな挑戦(前)

 一、少しずつエリアを広げオファーを頂く
少しずつエリアを広げオファーを頂く
 私とS先生との出会いは、S先生から直接弊社に頂いたお電話がきっかけでした。
 79歳の内科医師。現職の千葉県内の療養病院での退職が決まっているので、同様な内容、条件で働ける環境である事。また、お子様達が都内にお住まいの為、なるべく都内からアクセスしやすい交通の便の良い事もご希望でした。
 お電話でご希望を伺った後、早速S先生のご希望に合った求人の選定に入りましたが、やはり年齢面でお断りされるばかりで、前向きに検討して頂ける病院は全くなく、やっと見つけても勤務条件が合わないなど、難航を極めました。
 このままでは、いたずらに時間だけが過ぎてしまうと思い、少々方向性を変えて老健施設のご提案をさせて頂くことを考え、S先生の希望エリアの都内から近い老健施設を1つ1つ確認していきました。
 しかし、どこも間に合っているや、60代の医師ならば検討したいが高齢の医師はお断りの繰り返しで、求人を見つけるのは容易ではありませんでしたが、少しずつエリアを広げることでようやく千葉県の老健施設からオファーを頂くことが出来ました。
 二、S先生のご経歴・人となりを知る
S先生のご経歴・人となりを知る
 S先生とのご面談時に、ご希望の求人を探させて頂いたが年齢面の問題で検討頂ける医療機関が見つからなかった旨を正直に伝えたところ、想定されていたのか、笑顔で一言「この年齢だから、中々見つからないでしょう。探してくれてありがとう」と仰り、私のことを労って下さいました。
 そして、療養病院ではないですが、オファーを頂けた老健施設があったことを説明させて頂くと、「老健施設は経験がなく、1人常勤の点が不安なので、出来るなら避けたいのです。先に面接を受けた病院の結果が未だ出ていないので、その結果がダメでしたら検討してみます」と、あくまで病院での勤務を希望しており、病院が難しい場合のみ、老健施設を考えてみる、とご希望を頂きました。
 その後、S先生は今迄のご経歴や医師として大切にされてきた事をお話下さいました。
 元々大学病院の心臓血管外科医であったこと、激務で心身共に疲弊し、熟考の末に内科医に転科した過去。それ以来、奥様を初めご家族との時間を第一に考え今日迄歩んできた事。
 自身の技術を磨く事から、家族との時間を大切にする事へシフトして生きてきた経験が、現在、患者とその家族への対応に非常に活かされている事など、お話し頂きました。
 また、年齢的に引退しても良いかな、と思うけど、妻や子供達から「求められる環境がある限り医師を続けて欲しい、応援してるから」と言われている事。それで身体が動くうちはとにかく医師として仕事を続け、少しでも人様の役に立つ事、を家族と約束していることなど、現在のモチベーションの理由を教えて頂きました。
 柔らかく優しい表情のS先生の口から語られた言葉から、『ご家族、特に奥様との時間を大切にしたい』『医師人生を全うしたい』という、お気持ちが伝わってきました。
 三、今までと違う新しい挑戦
今までと違う新しい挑戦
 また同時に、ご希望にマッチした働き方は老健施設であっても出来る事を私は確信し、その旨をS先生にお伝えしました。
 老健施設と病院の勤務内容の違い。特に、1人常勤だがコメディカルがしっかりサポートするので安心して勤務出来る点や提携先の病院との連携、オンコール対応について詳細に説明し、奥様との現在の生活に支障が出ない事を伝えました。
 また、入居者やそのご家族とのコミュニケーションは現職よりも重要になってきますので、S先生の今迄のご経験をより活かして頂ける事、S先生のようなご経験豊富な医師こそ求められている環境である点もお伝えしました。
 S先生には『熱心に説明してくれてありがとう。療養病院とは全く違う、新しい挑戦になるけど、一度考えてみるね』と仰って頂けました。
 四、思いもよらぬ方向に急変
思いもよらぬ方向に急変
 とは言え、先行で面接に行かれた病院の結果次第で検討との事でしたので、S先生のお話、お人柄からすると先ず間違いなく採用になるのではないか、と思いつつ、引き続き求人を探しながらS先生からの連絡を待つ事にしました。
 ところが、この後、事態は思いもよらぬ方向に急変することになったのです。
 
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