「医師として」 - 第二の人生の働き方（後）

　最初に、先生のご自宅から通勤可能な範囲での施設を全て探しましたが、地方都市という事もあり診療所は求人数が少なく、また院長よりも若い年齢を制限する施設も多いため、当初の希望である診療所での外来勤務の求人は皆無という悔しい結果となりました。
　先生も少し残念そうな様子でしたが求人状況も理解して下さり、気を取り直し新たな案件を複数ご提案しました。

　各求人のメリット・デメリット・働き方のイメージを話し合うと、Ａ先生はその中の一つ、“巡回健診”に興味を抱かれました。

　巡回健診は一旦診療所に出動後、巡回バスで現場へ向かうのですが、集合時間は７時台が多く、毎日５時台の起床と生活リズムが変わります。
　しかし勤務が終了すると早く帰宅できることや、何より勤務後にコールが無い安心感、オン・オフが明確で精神的な負担はありません。そしてお休みに関しても、事前の申し出があれば自由に取得することが出来ます。既に予定されている例の旅行休暇も、快く承諾いただいています。長期休暇が取得しやすい、オン・オフがとれる働き方に大変魅力を感じられ、すぐさま面接への運びとなりました。
　面接では、勤務内容やお休みの事など、勤務条件等の祖語も無く上述した通りで、満足する内容だとすぐに入職を決意されました。

　その後の先生とのお話の中で、主治医として患者さんを担当していた時は、勤務後も患者さんの容態が気になり、眠る前にふと思い返したりと精神的な負担が大きかったようです。しかし巡回健診ではそのような心配がほぼ無い事。そしてこれまで開業(一人医師での診療スタイル)が長かったので、他の医師に気を遣いながら勤務をするのは正直出来るだけ避けたかった。という本音も話して下さいました。

　梅雨が明け、本格的な夏を迎え先生の勤務がスタートしましたが、勤務の中休みをとって旅行を楽しまれています。Summer seasonという事で、ヨーロッパなどは最適な季節でしょう。先生からも、仕事にもハリがでて有意義な時間を過ごしています。と素敵なお言葉を頂戴しました。

　振り返ると、転職をする際の当初の希望であった‘仕事とプライベートとの充実’を満たす職場という事が大きなポイントだったように思います。
　私たちは先生がご納得される勤務内容・勤務条件はもちろんのこと、その先にある人生の目的までも一緒に考え、先生の人生が更に豊かになるお手伝いをさせていただきたいと考えております。
　充実した勤務をされながら、奥様と旅行を楽しまれる“第二の素敵な人生”をサポートできたことに感謝申し上げます。