「医師として」メインタイトル

第7話
信頼の証明

 四 「先生には苦しい時に助けてもらいました」
先生には苦しい時に助けてもらいました
何と、私の方で何とかT先生の次のご活躍頂けるご勤務先を探して頂けないかとの、お願いでした。契約を継続しなかった側、言い方を変えればクビ宣告をした側の人間が次の勤務先をわざわざお願いされるなんて事は私も経験がなかった為に、一瞬困惑致しました。
「医療機関がその地域に於いての、スキルや資格等の必需性の理由により方向転換での人員変換はいたしかたの無い事です。それは、誰もが理解しております。しかし、自分達が困っていた時に就任頂いて助けて頂いた先生です。他のスタッフからも、お願いして欲しいと言われて来ました。差し出がましいと思いますが、よろしくお願い致します。」
本当にありがたい言葉でした。

しかし、冒頭に記載させて頂いたように、T先生は長い間、臨床から離れておられた為に、お世辞にも特に秀でたスキルがある訳ではございません。
それなのに、周りからこれだけの言葉を頂けるというのは何故なんだろう?
その質問をさせて頂くと、「T先生はいつも温和な態度で、とにかく周りのスタッフの話をよく聞いて下さいました。そして、聞こうともされておられました。それが、周りのスタッフのみならず患者のみなさまにも安心感を与えておられました。それが、現場の我々にはどれだけ有難かった事か。」

その話を聞きながら、違う医療機関で同じような先生とお会いした事があった事を思い出しました。
 五 医師としてというよりも、まず人として
医師としてというよりも、まず人として
そのDr.とは、その時で83歳とかなりのご高齢のN先生でした。
たまたま、診療されているご様子を見る事ができ、覗いてみると、順番にお年寄りの手を握りながら、「どうや、調子はどうやぁ。辛い所とかはないかぁ。」と優しい空気の中で患者さんのお話しを聞いておられました。もちろん、お年寄りの患者さん達より、N先生の方がお年寄りだというのも微笑ましい光景だった事が今でも思い出されます。
後でその医療機関の事務長から聞いた話ですが、その83歳のN先生がその法人の中で、最も収益をあげておられるDr.との事でした。


これから来る、超高齢化社会。その中で求められる医療。
薬、機器、手術、その他にさまざまな先進医療。
でも、何より医療機関から求められているのは、患者さんや周りのスタッフにも安心感を与えるコミュニケーションなのだと言う事を、この2人のご高齢の先生より教わりました。

先日、T先生のご自宅に医療機関からそのような依頼があった事を報告にお伺い致しました。ご夫婦とも、その医療機関からの言葉に大変感謝されておりました。
T先生から、「こんな年寄りを勤務させてくれる医療機関なんて、あるのかな?」と冗談混じりの口調で質問されました。
その答えは「もちろん『ハイ』です!」
なんたって、T先生は医療機関がこれから求められる、大きな「売り」をお持ちなのですから。

来春に向けて、その「売り」を引っ提げて、T先生のご活躍頂ける場所選択のお手伝いをさせて頂けるのが楽しみです。
 
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