「医師として」メインタイトル
真摯に勤務していても、病院側の都合で契約更新が
されないことがある。けれど、頑張っていれば、
きっと見てくれている人はいる。
60代後半、契約終了を告知された外科医の実話。
 

第7話
信頼の証明

 一 60代後半、契約終了を告知された外科医
60代後半、契約終了を告知された外科医
今回、ご紹介をさせて頂くDr.は、現在の勤務先も私がご案内をさせて頂いたDr.でございます。
T先生は60歳代後半。昭和40年代半ばに大学を卒業され、医局人事で約24年間、外科医として活躍してこられました。しかしながら、急性期医療の最前線で毎日が手術の連続という激務から次第にその過労がたたり、すっかり体調を崩され、外科医としての第一線を退かれ、その後、約十数年に渡り、生命保険会社で加入審査医のご勤務に従事されておりました。そして定年を迎えられて、当社にご登録を頂き、現在のご勤務先をご紹介させて頂いたという経緯でございます。
元々、口数が少ない事もあり、あまり表には感情を出さず、体調を崩した為に臨床から離れる事を余儀なくされ、医師としての使命を果たし切れていないジレンマをお持ちで「医師として自分を必要とするところで、少しでも役に立てる仕事をしたい。」とおっしゃられていました。
「主人には笑って家を出掛け、笑って帰って来て欲しい。お給料が高ければ、その分、主人にプレッシャーになる。夫婦二人が普通に老後を過ごせる収入があれば問題ありません。」
と、その傍らでご心配をされていた奥様。
生命保険会社の加入審査医として長い期間をご勤務されていた為に、臨床から離れて医局との繋がりもない事で、かなりご心配をされていたご夫婦を今でも昨日のように思い出されます。
 二 大満足だった前回の転職
半年後の転職に向けて
長く臨床からは離れていらっしゃいましたが、その温和な人柄は誰が見ても感じ取れる先生でございましたので、とある医療機関と面接をして頂き、見事に内定を頂きました。
長いブランクをご心配されていた奥様をよそに、医師としての使命を果たし切れていないジレンマをお持ちであったT先生はかなり喜んで頂けていたご様子で、「この20数年間は笑顔で勤め先の事を話す事など全く無かったのに、久しぶりに嬉しそうな顔で帰ってきて、仕事の内容を聞かされましたよ」と後日、奥様より聞かされました。
私もホッとしました。
 三 紹介先病院事務長からの一本の電話
『何かピンとこない』
そして、それから2年ほどが経ったある日。
私宛てに、そのT先生がご勤務頂いている事務長より電話がありました。
内容は、その医療機関の体制が大幅に変わり、T先生と違う専門科目のDr.の配置が必要になった為、T先生の契約が更新されないと言う通知でした。
でも、話をよくよく聞くと、後任のDr.も同じ医療機関内で決定しているご様子でした。
だとしたら、何故、この事務長は次の紹介が必要もなく、極端に早期退職をされた訳でもないのに、わざわざ紹介会社の私に電話をくれたのか不思議に思いました。
そして、その訳を聞いて私は胸がいっぱいになりました。
 
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