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遠野方式在宅ケアシステム

病院の特色

1.内科

 長久保宇有副院長以下、3人の医師が在籍している。長久保副院長の専門は糖尿病であることもあり、糖尿病の患者さんが多くを占めているが、高血圧の患者さんも少なくない。内科では郷右近院長等とチームを組み、往診や市の訪問診療も実施するなど、在宅医療にも力を入れている。

 「専門に特化せずに、プライマリケアを重視した診療内容になっています。外来では糖尿病の患者さんや高齢の方など、多くの患者さんを診ています。内科の医師の数が少ないので、一人が受け持つ患者さんの数が多いですが、頑張っています。在宅医療は内科1人、整形外科1人、外科2人の常勤医師で行っています。在宅医療は遠野市と一緒に行っているのが月1回です。病院独自で行っているのが月曜日と木曜日ですから、月8回から9回ですね。これは医師1人、看護師2人の体制で行くのですが、内科の医師だけでなく、外科や整形外科の医師も回り、病院全体で訪問診療に行っているのが特徴です。常勤の医師数が多くないので、色々なところから診療の応援の先生方に来てもらい、外来診療や検査を受け持ってもらったりしています。新しく10月から循環器の医師が常勤で勤務しますので、これからは循環器の分野も充実させていくことができるでしょう。」
 

2.外科

 常勤の医師2人と東北大学第二外科からの応援医師1人の体制となっている。外来では縫合処置、乳がん検診、鼠径ヘルニア、虫垂炎、消化器系の検査後の手術目的の患者さんが受診している。

 「外科は院長の私と副院長、私の出身医局の東北大学第二外科から火、水、木と来てくれる応援医師で回しています。積極的に手術をするには人が足りない状況なので、腰椎麻酔から全身麻酔まで全ての対応はできていますが、手術はあまり無理をしない形でやっています。この地域の患者さんは盛岡市の病院や大学病院で手術を受けて来られるので、術後のフォローや化学療法、緩和治療など、次の段階のところに力を注いでいます。今までは全身麻酔の手術も自科麻酔でやっていましたが、今年から岩手医科大学の麻酔科の先生の応援をいただけるようになったので、全身麻酔をしながら安全に手術ができるようになりました。」
 

3.遠野方式在宅ケアシステム

 遠野方式在宅ケアシステムは介護保険制度の原型とも言われているものだ。遠野病院に勤務する岩手県職員、遠野市職員、社会福祉協議会といった民間の三者が縦割りの関係をなくし、横に手を組んで連携して、要支援高齢者などを対象に、訪問診療を実施している。
 また、訪問診療を円滑に実施するため、在宅ケアに関する会議を「地域ケア会議」として、特にその実戦部隊の構成する会議だけに一本化され、提供すべきサービスを即決、即実行できるようにし、対象者の健康管理継続に役立てている。

 「介護保険制度のない時代に始まったので、個々に行うのが難しく、三者が一緒になって始めたのです。動き出しは非常にパワーがあったようです。今は介護保険が充実し、訪問看護ステーションができ、ケアマネジャーさんが活躍されるようになりました。これまでの在宅往診だと大人数になるので回数が限られていたのですが、地域の介護のリソースも増えていますので、我々は訪問する人数をコンパクトにし、回数を増やすことを検討しています。医師の同行が必要ではない場合は看護師だけで訪問看護に行く形にしたいです。医師がいないと分からない、皆が一緒に行かないと分からない時代もありましたが、ITのネットワーク化が進んでいますので、様々な情報ツールを使って、緊密なコンタクトを取ることが可能になりました。もちろん、顔を合わせてのミーティングも大事ですが、一緒に行動するだけでなく、情報共有をしっかり行っていくのが今後の課題です。」
 

4.そのほかの診療科

 郷右近院長にそのほかの診療科の特徴について、伺った。

 「岩手県内には耳鼻咽喉科の常勤医師がいる病院はなかなかないのですが、当院には常勤医師が長く勤めており、地域の役に立てていると思います。整形外科はこの周辺に開業医の先生がいらっしゃらないので、当院で一手に引き受けています。また、遠野市は子育ての都市ということで力を入れていますので、当院の小児科は病児保育にも関わっています。病院の敷地内に合同公舎があり、その1階の半分くらいを市に貸し出し、「わらっぺホーム」という病児等保育施設を市が運営しています。そこに当院の医師が1日1回様子を見に行っています。市の様々な取り組みに対し、我々がバックアップ、サポートするということが多いですね。」

2018.10.01 掲載 (C)LinkStaff

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