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専門医との連携のもとで、
患者さんの立場に立った医療の提供に努める。

プロフィール

神戸中央病院

神戸中央病院(兵庫県神戸市)

 神戸市北区は六甲山の北側に位置し、1973年に兵庫区から分離した区である。北区には神戸市を代表する観光地である有馬温泉のほか、名所旧跡や歴史文化財が数多く残され、石峯寺は国の指定重要文化財となっている。1960年頃から神戸市中心部のベッドタウンとして、神戸電鉄の沿線沿いに住宅団地の開発が進み、大規模な住宅団地が形成されている。そのため、北区の人口増加は続き、現在は西区に次ぐ人口となっている。
 独立行政法人地域医療機能推進機構神戸中央病院は2014年4月に独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)のグループ病院として、再スタートを切った。グループの掲げる診療は「総合診療」である。これまで培ってきた専門分野の治療に加え、併存する疾患に対し、専門医との連携のもとで、患者さんの立場に立った医療の提供に努めている。
 今月は神戸中央病院の大友敏行院長にお話を伺った。


大友敏行 院長

大友敏行 神戸中央病院院長 プロフィール

1949年に京都府で生まれる。1975年に関西医科大学を卒業する。関西医科大学第二生理学教室助手を経て、1978年に松下記念病院に勤務する。京都府立医科大学第二内科学教室に入局する。1983年に社会保険神戸中央病院(現 JCHO神戸中央病院)に内科医長として着任する。1989年に社会保険神戸中央病院循環器内科部長に就任する。2005年に社会保険神戸中央病院医務局長に就任を経て、2006年に社会保険神戸中央病院副院長に就任する。2013年にJCHO神戸中央病院院長に就任する。

日本内科学会認定内科医、日本循環器学会専門医、日本高血圧学会指導医、日本医師会認定産業医、人間ドック学会専門医など。

病院の沿革


 

1948年
健康保険神戸中央病院が神戸市中央区(当時は生田区)に開院する。
1971年
社会保険神戸中央病院に改称となる。
1986年
神戸市北区へ新築移転を行う。
2014年
社会保険神戸中央病院から現名称に改称となる。

 神戸中央病院は戦後間もない1948年に神戸市中央区に開院した。当時の生田区である。

 「神戸も空襲で焼け野原になりました。1948年はまだ終戦から3年ですから、住民はいても、医療機関どころか、普通の企業もまだ建っていない時期ですね。保険制度があっても、それを施す場所がなく、国が全国の都道府県に保険診療ができる施設を作ろうということでできた病院です。場所は今の神戸大学医学部附属病院のあたりです。そのときは健康保険の病院でしたので、健康保険神戸中央病院という名称でした。健康保険の病院は大阪にもありますし、近畿のみならず、北海道から九州まで、ほとんどの都道府県に一つはあったんです。当時は結核が蔓延したので、1952年頃には結核病棟もありました。」

 1986年に地域からの強い要望を受け、神戸市北区に新築移転を行う。

 「最初の開業地は神戸大学から近隣でしたし、神戸大学の周辺1キロ圏内には当院のほかにも多くの病院がありましたので、移転を検討していたところ、北区の現在地が候補に上がりました。神戸市が住宅地として開発していたエリアで、険しい山などはなく、住宅地に適していたんですね。当時は神戸市街から車で20分ほどで行き来ができました。本来なら病院はあった場所に新築しないといけなかったのですが、土地を等価交換して、北区に移ることになりました。移転時に脳神経外科や精神科が増えまた、新病棟を増築したときに整形外科や皮膚科、泌尿器科などが加わり、現在の診療体制となりました。」

 大友院長は移転の3年前に着任していた。

 「移転のときにも当然、入院患者さんがいらしたので、一旦退院できる方は帰っていただきました。移転日は1986年3月27日で、桜が咲いている時期だったんです。しかし、急激な寒波が来て、雪が降ったんですよ。有馬街道は当時は細く、道が悪かったので、自衛隊が入院患者さんを搬送したんです。90人ほどの患者さんを帰さずに入院させていたのですが、自衛隊の車でしたので、ほかの車のようにスリップすることもなく、何とか移転を終えました。」

 神戸中央病院は看護学校や老人保健施設、健康管理センターなどの付属施設も充実している。

 「1971年に附属看護学校ができ、1994年に病院の隣に介護老人施設ができました。これは100床を有するものです。1996年には緩和ケア病棟を22床で開設しましたが、神戸市内では2つ目の施設だと聞いています。また、当院は健康保険病院の時代から予防医学に力を入れており、健診部を作っていました。労基健診など、国が定める健診を受ける必要がある方は旧市街に多いので、移転後に北区まで来ていただくのは難しいですから、移転する前の施設も使って、2カ所で健診を行っていました。当時からバスでの健診も行っています。日本海側の温泉街などに泊まりがけで行き、お住まいの近くで医療や健診を受けることができない方に対し、健診しています。今はハーバーランドにも健康管理センターを持っていますので、病院全体では年間5万人の方にご利用いただいています。」

2018.03.01 掲載 (C)LinkStaff

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