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質の高いバリアフリーのサービスを目指して
社会医療法人財団 董仙会 恵寿総合病院

運営・経営方針

1.運営・経営方針

 神野理事長の経営方針は明確である。
 『けいじゅ』のある七尾市は、高齢化が進んでおり高齢者の比率が人口の30%、能登の七尾以北の地域では40%となっています。
 これは、全国的にTOPクラスの高齢化率です。日本でTOPクラスの高齢化率であるということは、必然的に世界でもTOPクラスの高齢化率だということです。世界がいずれ迎えるであろう高齢化社会が既に我々の目の前にある訳です。医師にとってこれは逆に最先端とも言える素晴らしい環境ではないでしょうか。
 医師ならこの素晴らしい環境に飛び込まずしてどうしますか?

 しかし、だからと言って、我々が手掛けている医療は、高齢者医療ばかりではありません。勿論一般の患者さんに対する急性期医療もバリバリやっていますし、回復期医療にも力を入れています。そして、慢性期から福祉(介護)までやっています。
 要は患者さんにとって「面倒見のいい医療」をやっていくことが大事です。そのためにはIT化や教育、福祉施設や新棟の建設等が必要になります。これが私の極めてシンプルな経営方針なのです。

 

2.IT化

 「単なる電子カルテなどでは何もアドバンテージにはなりません。真のIT化は、医療者側が自分の患者さんの予後がどうなっているか、関連施設から来た患者さんが今までどういう治療や検査をしていたかを把握でき、同じIDナンバーを持っている患者さんは『けいじゅ』のどこかでIDを取得した患者さんは、けいじゅグループ内の病院・診療所・介護施設・福祉施設どこへ行っても自分の状況を瞬時に分かってもらえるという大きなメリットがあります。実はこの医療機関から福祉施設まで幅広く一元的に情報共有できる電子カルテシステムを持っているのは、日本で『けいじゅ』だけなんですよ。」

 

3.けいじゅサービスセンター

 『けいじゅ』が急性期医療から回復期、慢性期から緩和ケアや福祉(介護)まで幅広く手掛ける中で、患者さんにとって「面倒見のいい医療」を実践するためには、『けいじゅ』との地域連携を含め、医療・介護の垣根無く気軽に問い合わせ・相談・予約できるコールセンター的な窓口が不可欠だと考え、けいじゅサービスセンターを開設しました。
 例えば急性期から回復期へ移行する際に、発生しうる医療の隙間とも言うべき部分を電子カルテのオンライン化等によって埋めておき、その上でけいじゅサービスセンターの職員がそのシステムを活用し、患者さんや利用者さん、そのご家族、医療関係者に対して必要な情報を迅速に提供し、「面倒見のいい医療」を実践しています。

 

4.メディカルツーリズム

 「2007年にPET-CTと能登のツアーを日本旅行さんと作りました。実はこの年に能登半島地震があり、地域経済が落ち込んでいたのです。このツアーで能登に来ていただければ、地域振興になるのではといった意味でメディカルツーリズムを始めましたので、メディカルツーリズムで戦略的に病院経営に寄与させる意図はありません。しかしながら、断る理由もありませんので、在住の外国人の方や旅行に来られた方、アジアから検診や治療で来られれば、歓迎しています。病院というより、地域が潤うことが嬉しいですしね。」

 

5.今後の展開

 2013年末に新棟が立ち上がる予定です。救急センター、手術室、集中治療室、臨床検査部門、その他外来や放射線治療部門、急性期病棟といった一番コアになる部門を新棟に移します。これだけでも単独の急性期病院機能を担えます。コンセプトは地域振興や患者さんのニーズに応じた仕組みのほか、インテリジェント病院となるべく、得意なIT機能も今まで以上の最新のレベルで検討しています。けいじゅサービスセンターも新病院に向けた一つの核になります。病院に入ったところにサービスセンターを設置し、司令塔的な役割を担います。災害拠点となるべく、免震構造を取り入れ1階に酸素バキュームを設けたトリアージスペース、3階に災害避難場所として中層階デッキスペース、屋上にはヘリポートを作ります。

2012.11.01掲載 (C)LinkStaff

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