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地域の医療を守る市立病院
大田市立病院

病院の特色

1.大田総合医育成センター

 2011年秋、大田市立病院内に、島根大学医学部総合医療学講座の臨床教育、研究の実践の場として、また地域医療を担う医師不足を解消する目的で、大田総合医育成センターが設けられた。特定機能病院として高度先進医療を担う島根大学医学部附属病院と島根県央地区の一次、二次医療を担う大田市立病院が連携し、大田市立病院で共同診療に当たることになり、その診療現場が研修医、学生の臨床教育の場となったのである。
 センター開設時、教員のスタッフは2人の教授(うち外科1名)で構成され、2012年4月からは内科の教授と外科の准教授の2人が加わった。これにより、研修体制の充実と共に常勤医師2人体制による外科診療、手術が可能となった。
 島根大学医学部と大田市立病院が連携し、共同で診療に当たることで、これまで以上に医療技術と教育体制の強化に繋がると期待されている。この構想のもとに、今後も全国から医療従事者を募集し、教育の充実を図るという。
 医学部の学生や研修医の教育に関しては、大田総合医育成センターの教官と大田市立病院の各種専門医師が診療科の垣根を外し、大学病院や一般病院では実施困難な総合診療、総合教育を目指す。外科系総合医療と内科系総合医療を核として複数の診療科をまたぐ医療チームを構成し、初期診療、診断から高度治療まで一貫して診療する体制となっている。

 「大田総合医育成センターが医師不足の島根県西部の地である大田市にできたことは大変有意義なことと思います。若い医師が働く場には活気が出ますので、当院に再び活気が蘇っています。地域医療の最前線に立つ総合医になりたい研修医や学生が当院に来て、勉強したいと思える病院にしていきたいですね。当院で勉強した研修医、学生の皆さんが大田で研修をしてよかったと言ってくれるよう、努力します。将来、総合医として臨床現場の先頭に立たれたとき、また専門医を目指し、臨床や研究の道に進まれた際に、『大田で研修した人は違う』と、『大田ブランド』と言われる医師になってくれることを願っています。」

 

2.内科

 古家寛司内科系診療部統括部長、橋本朋子内科部長、橋本昌典総合診療科部長の3人が常勤している。

 「大田総合医育成センターでは総合内科後期研修を受け入れています。大田総合医育成センターは島根大学医学部附属病院の関連施設であり、当センターで経験した症例は全ての診療科認定医、専門医の資格受験のための症例と認定されます。また、医学部総合医療学講座の育成センターであり、医学博士号取得の道も開かれています。」

 

3.神経内科

 脳血管障害、パーキンソン病及び周辺疾患、脊髄小脳変性症などの変性疾患、多発性硬化症、ギラン・バレー症候群などの免疫性神経疾患、筋疾患、認知症、神経感染症、てんかん、頭痛など、神経系疾患全般について診断、治療を行っている。

 「tP-Aの症例は、この1年半で10例弱を島根大学からの3人のバックアップ体制のもとで行っています。内容などは地元医師会の学術セミナーで発表しています。また、2011年5月には認知症外来を開設し、頭部MRI、脳血流シンチ、神経心理検査などにより早期に診断し、できるだけ早く治療を開始できるように努力しています。」

 

4.消化器内科

 消化器疾患全般について、島根大学消化器内科、外科と連携して対応している。週に2日主に上部・下部内視鏡による検査・治療を行っている。肝臓、胆のう、膵臓疾患などはCT、US、MRIなどによる画像診断を中心に検査治療を行う。

 

5.外科

 外科は大田総合医育成センターのスタッフでもある、野宗義博医師と水本一生医師の2人のベテラン外科医を擁している。

 「大田総合医育成センターでは総合外科後期研修を受け入れています。大田総合医育成センターは島根大学医学部附属病院の関連施設であり、当センターで経験した症例は全ての診療科認定医、専門医の資格受験のための症例と認定されます。また、医学部総合医療学講座の育成センターであり、医学博士号取得の道も開かれています。」

 

6.脳神経外科

 当院は県内では脳神経血管内治療の実績が最も豊富な病院の一つ。特に、最近注目されている、くも膜下出血の急性期に対するコイル塞栓術は全国的にも先進的な取り組み。血管内治療の適応が無いと判断した場合には開頭術を行っている。

 「脳腫瘍、脊髄腫瘍、脳・脊髄血管異常の治療に血管内治療を取り入れ、顕微鏡手術との相乗効果を上げることに成功しています。」

 

7.小児科

 楫野院長が活躍している現場である。小児科のスタッフは2名で、午前中は一般外来を2診体制で、午後は交代で時間外受診の診療と特殊外来を行う。入院は年間約300人から350人で、新生児から中学生のあらゆる疾患に対応し、島根大学医学部小児科および島根県立中央病院と連携し、重症例にも対応している。
 楫野院長の着任に合わせ、小児心臓外来を開始しているほか、島根大学小児科の岸和子医師による小児神経発達外来を行っている。

 「夜間や休日の重症患者さんは小児科医が待機制で対応しています。常時2人の4年目の医師を、2年のローテートで大学から受け入れています。」

 

8.産婦人科

 不妊症に関する検査、治療に積極的で、2010年から人工授精も開始した。子宮筋腫、子宮脱、卵巣嚢腫など、手術を含めた良性疾患診療も数多い。一方で、婦人科悪性腫瘍の診断と治療にも力を入れている。また、うつ病管理を取り入れた更年期障害の管理、骨粗しょう症などの合併症の管理も行っている。

 「周産期管理として、里帰り分娩についても制限していません。今後は腹腔鏡検査や手術も充実していきます。診療体制は常勤医2人と助産師10人のスタッフで、年間約300件の分娩に対応しています。」

 

9.泌尿器科

 現在、常勤の専門医である岸浩史医師が泌尿器科および血液浄化療法を担当し、主として尿路性器悪性疾患、尿路性器感染症、排尿異常、尿路結石症、慢性腎臓病などの診療を行っている。
 手術は内経尿道的膀胱腫瘍切除術・経尿道的前立腺切除術などの内視鏡手術を中心に、腎細胞がんや前立腺がんの開腹手術、高齢者や合併症を有する前立腺肥大症症例に対しての尿道ステント留置術や透析患者に対するバスキュラーアクセス術などが中心である。血液透析ベッド数は10床で、最大で40人の患者さんの受け入れが可能となっている。

 「慢性腎臓病外来は島根大学腎臓内科から専門医を招いて、腎臓科外来として継続しています。食事療法や薬物療法の保存的治療を行い、末期慢性腎不全に進行した症例に対しては血液透析および腹膜透析療法を施行しています。」

 

2012.08.01掲載 (C)LinkStaff

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