医師の仕事・働き方・キャリアプランについて

麻酔科医に求められる資格とは

麻酔科医は日本でもっとも需要の高い医師のひとつです。麻酔科医になるためにはどのような資格が必要なのでしょうか。ここでは麻酔科医の仕事内容を幅広く紹介し、麻酔科専門医を目指すための方法について解説を行います。

麻酔科医の仕事内容について

麻酔科医の仕事内容について

麻酔科医は患者さんに安全安心な手術を提供することが主な仕事内容です。そのためには痛みを感じさせないのが大前提となります。手術中、患者さんが感じる痛みや刺激の強さは一定ではありません。強い痛みの時もあれば、弱い痛みの時もあります。麻酔で眠っていても、脳や脊髄は痛みの刺激に対して反応しますので身体にはその影響がでます。たとえば強い痛みを感じれば血圧が上がり心拍数が増えるでしょう。出血が続けば血圧が下がり、その代償として心拍数が増加することもあります。
このように手術中には様々な問題が発生するので、麻酔科医は患者さんの状態を正常範囲にコントロールする医療を行います。痛みが強ければ、麻酔薬を増やし痛みを感じないようにしますし、痛みが弱いときには余計な麻酔を投与しないように注意します。患者さんの麻酔状態を観察するだけでなく、手術の様子からも目を放しません。手術中はずっと手術室に滞在し、患者さんの傍らで医療技術を駆使します。
麻酔科医の仕事は手術中だけではありません。患者さんに適した麻酔方法を考えるために、手術の何日も前から患者さんを観察することもあります。また手術後、患者さんの呼吸や意識レベルの回復度をチェックするのも麻酔科医の重要な仕事のひとつです。

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麻酔科医の仕事内容について

麻酔科医の仕事内容について

日本の医療現場は慢性的な医師不足といわれており、麻酔科医も例外ではありません。麻酔科医の数は年々増加傾向ではあるものの、それ以上のスピードで需要が上回ってきています。理由はいろいろとありますが、麻酔科医ではない医師が麻酔を行うケースが減っているのがその一因でしょう。医療ミスを防止するため、麻酔をするときは専門医である麻酔科医に任せる病院が多くなっています。また今まで手術を実施していなかった中小の病院でも手術を行うようになったり、大学病院の手術件数が増えたりしているのも麻酔科医の需要が高まっている理由です。
麻酔科医といえば手術がメインのイメージがあるかもしれませんが、ホスピスの緩和ケア、ペインクリニック、在宅医療など活躍の場は広がってきています。手術以外にも活躍の場があるため麻酔科医の重要性はより高まっている状況といえるでしょう。
いろいろなところから引っ張りだこの麻酔科医はフリーランスのスタイルで働くことも可能です。常駐医は月毎に給料をもらいますが、フリーランスは1手術毎に報酬を受け取ります。手術の数、報酬次第では常駐医よりも効率よく稼ぐことができるでしょう。フリーランスとなると個人のスキル、営業力が問われますが、仕事量を自分で調整でき、肉体疲労も軽減されるのでフリーランスを選ぶ麻酔科医も増えてきているようです。

麻酔科専門医を目指すには

麻酔科専門医を目指すには

麻酔科医の種類を大きく分けると、麻酔科専門医と麻酔科標榜医のふたつです。いきなり麻酔科専門医にはなれないので、まずは麻酔科標榜医を目指す必要があります。麻酔科標榜医を目指すには医師国家試験に合格を果たし、医師免許の資格を取得しなくてはなりません。その後、麻酔科専門医の下で2年間研修を実施し、厚生労働省に麻酔科標榜医の申請をする流れとなります。
麻酔科標榜医になり、3年間の研修を全うすれば麻酔科専門医の受験資格を得ることができます。社団法人日本麻酔科学会が管轄する麻酔科専門医試験に合格できれば、晴れて麻酔科専門医となります。
麻酔科専門医にならなくても医師免許や歯科医師免許を持っていれば麻酔を行う資格は一応ありますが、麻酔は不慮の事故がとても怖いものです。麻酔は麻酔科医が担当するのが一番望ましいといえるでしょう。

麻酔科医についてよくある質問

麻酔科医になるためには、以下の教育および訓練のステップを経る必要があります。各ステップにかかる時間は、国や地域によりますが、以下には一般的な時間枠を示します:
大学の学部課程: 医学部に入学する前に、通常は4年間の学部課程(しばしば「プレメッド」または関連する科学分野)を修了します。
医学部: 医学部の課程は通常4年間です。初めの2年間で基礎医学科を学び、後半の2年間で臨床実習を経験します。
インターンシップ: 医学部卒業後、1年間のインターンシップ(初期臨床訓練)を通常は行います。
麻酔科レジデンシー: インターンシップの後、麻酔科のレジデンシープログラム(専門訓練)に参加します。これは通常3年間を要します。
したがって、合計すると大学の学部から麻酔科医として訓練を完了するまでには約12年(4年の学部 + 4年の医学部 + 1年のインターンシップ + 3年のレジデンシー)を要します。
さらに、麻酔科のさまざまなサブスペシャリティ(例えば、小児麻酔、心臓麻酔、疼痛管理など)に焦点を当てたフェローシップを追求する医師もいます。これはさらに1-2年の訓練を必要とします。
これらの期間は一般的なもので、特定の国や教育機関、個々の医学生や医師の経験によって異なることがあります。具体的な要件や時間枠については、医学部のキャリアカウンセラーや医療教育の専門家に相談すると良いでしょう。

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麻酔科医の年収は、さまざまな要素により大きく変動します。これらの要素には、地域、経験、専門性、労働時間、勤務形態(公立または私立病院、クリニック、大学病院など)が含まれます。
アメリカ合衆国では、麻酔科医の年収の中央値は約$400,000(約4,000万円)と報告されています。しかし、これはあくまで平均的な数字であり、上記の要素により大きく変わる可能性があります。
日本では、厚生労働省の調査によると、医師の平均年収は約1,200万円程度 ですが、専門分野や上記の要素により麻酔科医の年収はこれより高い、または低い場合もあります。
最新かつ具体的な情報を求める場合は、医療業界の給与調査を行っている専門機関やウェブサイト、または医療専門家のキャリアカウンセラーに相談することをお勧めします。

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麻酔科医は手術や診療の間、患者が痛みを感じないようにする役割を果たします。これは通常、一般麻酔(患者を眠らせる)、局所麻酔(特定の部分を麻酔する)、または鎮静(患者をリラックスさせる)の形をとります。
麻酔科医の主な職務は以下の通りです:
前麻酔評価: 手術前に患者の全身的な健康状態を評価し、麻酔リスクを判断します。この評価では、患者の既往症、薬物アレルギー、過去の麻酔経験などが考慮されます。
麻酔計画の作成: 患者の健康状態と手術の種類に基づき、最適な麻酔計画を立てます。
麻酔の管理: 手術中と手術後の痛みを管理します。これには、適切な麻酔薬の投与、患者の生命徴候(心拍数、血圧、酸素飽和度など)の監視と調整が含まれます。
緊急対応: 手術中や手術後の予期しない状況や合併症に対応します。これには、呼吸や循環の問題、アレルギー反応、麻酔薬の副作用などがあります。
疼痛管理: 麻酔科医は手術後の疼痛管理の専門家でもあります。適切な鎮痛薬を選択し、その投与を監視することで、患者の快適さと安全性を確保します。
重症医療: 一部の麻酔科医は、重症医療部門(ICU)で働き、重症の患者のケアを担当します。
以上のように、麻酔科医は医療チームの重要な一員であり、患者の安全と快適さを確保するために不可欠な役割を果たしています。

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2018.09.21 掲載
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