医師の仕事・働き方・キャリアプランについて

#111 内科とは違うの?消化器内科の医師の仕事内容

病院は多くの科に細分化されていて、どの症状がどの科の受け持ちなのか迷うこともあります。内科は基本的にメスを持たずに病気を診る診療科です。全般的な症状を診察し、専門的な検査や治療が必要と判断した時にさらに専門の科につなげます。その中のひとつが消化に関わる臓器の病気を診る消化器内科です。 では、具体的な内容を見ていきましょう。

内科とは違うの?消化器内科の医師の仕事内容

消化器内科の医師はどんな症状を取り扱う?

消化器内科で対象とするのは読んで字のごとく、胃・食道・十二指腸・小腸・大腸・直腸といった下部消化器官・肝臓・胆のう・胆管・すい臓などが主です。
仕事内容としては、不調を訴えてやってきた患者の症状に応じて薬を処方し、経過観察を行います。必要があれば消化管内視鏡などの検査も行います。
扱う疾患は病院の体制にもよりますが、食道疾患では食道がんの内視鏡治療や放射線治療です。ライフスタイルの変化で増えてきた逆流食道炎の診断治療も診療範囲です。食道静脈瘤の内視鏡治療も行っています。胃の疾患では胃がん、ピロリ菌の治療、胃潰瘍、胃静脈瘤の内視鏡治療となります。小腸疾患ではクローン病、消化管出血、腸閉そくなどです。大腸疾患では大腸がん、大腸ポリープ、大腸憩室出血などの対処にあたります。肝臓がんの治療では超音波診断装置で電気が流れる針を刺し腫瘍を焼く治療も行います。
他にも、吐血や下血などの急患があれば止血措置を施します。腹部に胆汁が溜まっている患者には、患部に針を刺し体外に排出させます。

内科と消化器内科はどうして別なのか

内科は古くから医学の基礎となっている分野です。病気の診断と薬物治療を行いますが、外科と同様に対象となる臓器や行状に応じて、呼吸器内科や神経内科、腎臓内科、糖尿病内科、血液内科、そして消化器内科などに分けられています。
消化器内科は内科の中の一つの科ですが、投薬による治療だけでなく内視鏡治療などでは外科に近い患部を直接取り除くといったような積極的な治療を行う場面もあります。消化器内科医による内視鏡治療では、口や肛門から器具と小型カメラがついた内視鏡を入れ、体の内側から異常を発見します。直接患部を診察することで、ごく早い段階の胃がんや食道がん、大腸がんを開腹することなく焼き切ることもできます。専門に特化することで薬以外の手法を用いることができるのです。

消化器内科の医師に必要な知識や資格など

医療全般で技術革新が進むなかで、医師には大変高いレベルの診断や治療の技術と知識が求められています。とりわけ消化器内科では診療対象となる臓器が多くなっています。そのため一般的な病気からごくまれな病気まで、多岐にわたり網羅することが必要となってきます。
より高度な専門性を求められるだけに、消化器官の検査で欠かすことのできない内視鏡をはじめとした各種検査のほか、治療技術を一定レベルに保つために学び続ける姿勢が欲しいところです。消化器内科は内科の中の一分野ではありますが、多くの患者と多くの臓器が対象となります。あらゆる臓器についての知識が必要となり、検査機器についての習熟も求められます。内視鏡だけでも超音波内視鏡や消化管内視鏡、シングルバルーン小腸内視鏡など種類があり使いこなせるようにしなくてはなりません。
具体的なものとしては、消化器病専門医や消化器内視鏡専門医の資格を取得していると転職時の条件交渉でも有利に働くことでしょう。

胃腸に特化した消化器内科はたくさんの患者から需要が

最初から詳しい検査もしてもらえるということで、単なる消化器内科よりも、胃腸を専門にした病院の方が患者が集まる傾向があります。大腸がんのリスクに備えて内視鏡の検査を受けるにしても、専門医がいなくては話になりません。最近注目を集めているピロリ菌の検査も、院内でできるとなれば受けたい人はたくさんいます。
近年ではがんにり患する人も増えています。日本人の死因の上位にあがるがんの半数が大腸や胃などの消化器に発生しています。それだけに、早期発見のカギとなる消化器内科医の需要が高まっています。消化器病専門医や消化器内視鏡専門医などの専門をもった医師であれば、転職するにしても困ることはないでしょう。

2022.11.1 更新
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