ドクター転職ショートストーリー

フリーランス医師の決意の時(下)

2021年4月01日 コンサルタントy

A先生が全ての案件をお断りされた理由は…。
面接した3施設は全てクリニック案件という事もあり、理事長(院長)やオーナーはA先生の直属の上司にあたります。A先生にとってこの関係性や環境面は転職をする上で重要視されており、何かあった際に相談しやすい関係性、また理事長(院長)にとっても自分へ指示を出しやすい関係性を望んでおられました。
しかし、今回は実際にお会いして一緒に働くビジョンを見いだせなかったようです。
転職はお見合いと同じで相思相愛、双方のフィーリングがとても重要です。第一印象はその後の関係に大きく響きます。“理事長(院長)とのフィーリングの一致が、入職する決め手となった!”という経験をされた先生は多いのではないでしょうか。

さて、その後求人を探すも、先生の条件に合致する案件が無く、とうとう半年の月日が経ってしまいました…。そんな最中、1件新規皮膚科の立ち上げ募集をいただいたのです。
その内容は、
・新規立ち上げ 院長職の募集。
・勤務内容や診療方針は全て先生の希望に沿う。
・集客、マネジメントは全て法人が行う。
・週4日 1200万円、週5日 1500万円(管理医師手当込)、 2年目以降に実績に応じ昇給あり。
・自宅から30分程。

数字だけを見ると、正直、年俸が高い訳ではありませんが、医師は完全に医師業務に全うできる環境です。先生ご自身で勤務内容や方針を決められるので、これまでの経験を活かす事ができ、更に今後も長く勤められる!そんなビジョンを提案しましたが…
そもそもA先生は院長職を考えていなかったため、一旦お見送りとなりました。

…しかし、A先生は求人に少し興味があるようで、事務長を交えながら幾度もの面談を重ねていきました。面談では先に立ち上げた分院の勤務環境の良さ、法人の理事長先生の雰囲気や考えがA先生と近いタイプの方である事、一度のお話では伝えきれない詳細な内容やイメージが伝わり、先生のお気持ちが少しずつ揺れ動いていきました。 そして、とうとう理事長面談へと進んだのです。
理事長はお話通り腰が低く穏やかな方で「先生には、患者さんにとって安心される医療を提供してほしい。先生やスタッフが、無理なく楽しく働ける環境が一番大事です。必ず結果はその後についてきますので、安心して下さい」。とても安心感のある、柔らかで誠実な言葉でした。
あたたかな雰囲気が漂う中、A先生は落ち着いた口調で「一緒に患者様に喜ばれる、良いクリニックを創っていきたいです。よろしくお願いします」。A先生がフリーランスから院長職へ覚悟を決意された瞬間でした。
それから、設計・デザイン・クリニック名・採用活動など順調に準備が行われ、無事にクリニックが開設されました。
半年前は、まさか院長職の道へ進まれるとは誰しも思っていなかった事でしょう。A先生は信念を貫き、これまでの勤務形態が大きく変わる事も柔軟に受け入れられた結果、新たなステージが切り開かれたのだと考えます。
これからA先生は理事長やスタッフと共に、理想とするクリニックを創られますが、10年後20年後も元気にご活躍される姿を拝見する事を楽しみにしております。

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