ドクター転職ショートストーリー

精神科Drの再挑戦(上)

2020年6月15日 コンサルタントK

精神科一筋のH先生は、学生時代に友人が病に倒れ、その後、長い闘病生活に耐えられず自ら命を絶ったのをきっかけに医業の道を目指されたとのことで、初めてご面談させて頂いた際に教えて下さいました。

H先生が高校生の時に、友人の死を身近で体験し、人間の脆さ、命のはかなさと共に何もしてあげられなかった自身の無力さを痛感したと当時を思い出しながら切々と語って下さり、また、身体的な治療を行える外科や内科を目指すよりも、友人の様に目に見えない部分の痛みや辛さ、恐怖や焦燥感など、形がなく言い表し様のない「心の病」を抱えている人を救うことこそが自身の使命であり生きる道だと確信した為、精神科のスペシャリストになろうと誓ったとこれまでの背景や医師としての溢れんばかりの思いを情熱的に語って下さり、目頭が熱くなりながらもH先生の話に聞き入っていました。

精神科を目指されたH先生は、指定医を取得する為に様々な症例を積みながら、スーパー救急から訪問診療まで、精神科の関わるあらゆる場面を経験され、理想の精神科医療を追求する為に開業された時期もあったとのことでした。 現代の精神科医療は患者さん目線とは言い難い側面が多々あり、世界の常識とはかけ離れた長期入院の現状を見るだけでも、いかに日本の精神科医療が異常な状況であるかを知ることができるとのことで、各個人の人権のあり方や社会復帰をする為の受け入れ側の体制構築、病院ではなく地域で見守ることの重要さなど、精神科医療のこれからを見据えたH先生の壮大なイメージをご教示頂きました。

H先生より、これまでの経験やスキルはもちろん、今後の精神科医療の発展の為に自身が役に立てる医療機関があれば、医師人生をかけて全力で貢献させて頂きたいとの言葉を頂戴し、ご転職のサポートをさせて頂くことになりました。

次へ続く

コンサルタント手記バックナンバーへ

おすすめ求人

  • 矯正医官
  • A CLINIC GINZA