ドクター転職ショートストーリー

医師が選ぶ道(下)

2019年11月1日 コンサルタントY

新規開院の美容クリニックの管理医師募集。週4日勤務で年俸2,500万円。年齢や経験不問。という求人でした。県内でも唯一の繁華街で飲食店や風俗店が建ち並ぶ街のド真ん中でオープンするクリニックでした。とにかく高額の求人ということと、その医師の自宅から歩いても通勤できるという点で参考だけでもという思いで提案に踏み切りました。

どのような返答が来るのか。それとももう二度と連絡をいただけないのか。いろいろな思いで連絡を待ちました。返事は翌日という予想以上に早いタイミングで来ました。

「具体的にどのようなことをやるクリニックでしょうか?経験不問で研修ありなら応募したいのですが。」驚きと安堵の気持ちが複雑に絡み合ったのを今でも鮮明に記憶に残っています。とりあえず働くかどうかは、面接に行ってから考えてもらえばいい。という考えに切り替えて、面接当日に向かいました。いつも通り15分前に待ち合わせ場所に来られた医師の第一声にまたも驚きが隠せませんでした。

「この面接に勝負をかけますので、お力添えよろしくお願いします。」とりあえず面接にという考えから、一発勝負で失敗できない気合に切り替えるのに苦労しました。私が安易に思っている以上に医師はこの面接に採用必至で臨んでいたのです。

面接では先方の経営者からどんなサービスや施術をするのかの細かい説明が1時間以上続きました。経験が無いだけに戸惑いながらもその医師は真剣に耳を傾けていました。私も精一杯、その医師の人柄や誠実さをアピールしました。結果はその場での即採用という好結果で終わりました。

面接の帰りに医師と話す時間を設けました。聞くと隣県にお住まいの母親から、医院を廃業して無職の息子を心配して会うたびに泣いているということでした。これ以上、心配をかけさせたくないという思いで、全く畑違いの業種にも挑む心境になったそうです。

ここで稼いで、数年後には本当に自分が望んでいる小児クリニックの再開業を目標に頑張るという決意をいただき、帰り際に気持ちのこもったお礼と熱い握手をいただきました。

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