ドクター転職ショートストーリー

思わぬ苦労の末に(下)

2015年12月01日 コンサルタントK

1週間後に事務長から連絡があり、期待して受話器を取りました。

が、しかし・・・。

事務長からきた連絡は、またも「採用見送り」との回答でした。
さすがに今回は私も納得がいかず、事務長にその理由を尋ねましたが、事務長の回答は「私も不採用の理由を知りません。当院では最終的には現場の先生方の意思を尊重していますので、事務方からはその理由を聞くことができません。」と何とも腑に落ちないものでした。

納得いかない気持ちのまま先生に結果をお伝えしたところ、「またダメでしたか。」とさすがに2回目でしたのでかなり落胆されていました。

先生には次の医療機関のご紹介を約束し、先生を励ましましたが、依然として悶々とした気持ちはぬぐえませんでした。

先生の何がいけないのだろうか?正直私にも分かりませんでした。
受け答えもハキハキしていますし、自分の意見はきちんとおっしゃる先生でしたので、自分自身の中で先生と病院の相性が悪かっただけだと強引に納得させるしかありませんでした。

既に季節も3月に入ってしまっていたため、4月からの勤務先を決めるのには時間がありませんでした。
翌日から再度医療機関を洗い直し、その翌日には先生の家に再度お伺いして、新たに2つの病院を選定し、面接設定を組みました。

1週間後、C病院の面接に臨みました。
病院からは院長、事務長の2名が出席され、面接後、いつものように病院内見学をしました。

この病院は交通の便が非常に悪いこともあり、外来数も少なく、病棟管理がメインのところでした。当初より先生の意向として、入院から社会復帰まで責任を持って管理していきたいという考えがありましたので、意外と先生にマッチする病院ではないかと感じました。

翌日、事務長から「是非採用したい。」との連絡がありました。
3か所目にしてようやく内定をいただきました。
早速先生に連絡しましたところ、「ようやく内定がもらえましたね。ありがとうございます。」とさすがにうれしそうでした。

1週間後にもう1つの病院での面接が予定されていましたので、そちらに行ってから最終的に判断したいという先生の意向もあり、C病院には1週間回答を待ってもらいました。

そして1週間後、D病院との面接に臨みました。
面接後、ひと通りの病院内見学を済ませ、病院を後にしました。
先生も好印象を持ち、翌日事務長から「是非採用したい。」との連絡がありました。

これでC病院とD病院から内定をもらい、先生の方で選択してもらうこととなりました。
C病院は療養色が強く、D病院はどちらかというと急性期を主とする機関でした。先生の出した答えは、やはりゆったりした勤務の方を望まれ、最終的にC病院を選ばれました。

契約内容は、週4日勤務、当直なし、年俸1600万円という好条件で、先生のご希望に沿う内容でした。

後日、入職前面談でS先生とC病院を訪問するため、再度お会いした際に「本当にありがとうございました。色々お世話になりました。」と非常にうれしそうな顔を見て、こちらもホッとし、ようやく肩の荷が下りた感じがしました。
振り返ると、S先生とは約3ヶ月の間で10回以上お会いさせていただき、より良い勤務先を必ず決めてもらうという思いのもと、この間の仕事を全力でS先生に注力していました。

数か月後、先生に近況を伺うために連絡を取りましたところ、「順調に勤務しています。良い職場を紹介していただいてありがとうございます。」というお言葉をいただきました。

この一言で、今までの苦労はすべて払拭できたという気持ちになりました。

どんなにこちらで良い先生だと思っていても、面接という短い時間の中で病院からは先生の人柄というものが瞬時に判断されてしまうということもあると、改めて認識させられた経験でした。

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