ドクター転職ショートストーリー

先生の本当の気持ち(上)

2011年1月15日 コンサルタントO

Y先生は東京在住30歳の女性医師、皮膚科の病院勤務医であるが、美容皮膚科の勉強をするために美容クリニックでアルバイトをされていた。

電話で伺った転職希望条件は、「自宅から30分前後の通勤時間」、「美容皮膚科の二重埋没法の経験が積めて、スキルアップできるクリニック」の二点であった。
非常勤医としてご勤務されていた美容クリニックでは、二重埋没法は教えていただけるものの、「もし手術をしたいのなら、自分で患者を連れてこなければならないのです」とのこと。Y先生に早速、面談する機会をいただけるようお願いした。

Y先生は腰の低い方であった。事前に準備していたクリニックの求人情報で、特にレーザー機器の種類、保険診療と自由診療との割合、二重埋没法の症例数などをお伝えしながら、ご提案させていただいた。
最初は私が質問することに短い言葉を選んで返事をされるような、少し人見知りをする方かと思われたが、女性同士で話していくうちに、ご提案したクリニック一つ一つに対してY先生が思われることをはっきりと口に出されるようになっていった。
面談が終盤にさしかかった頃、Y先生から「もし常勤医で勤務することが決まった場合、1年くらいで辞めてもいいのですか」とのご質問があった。
「1年ですか」と、私は驚きを隠せなかったが、契約期間より長く勤めていただきたいという思いを込めて話を続け、Y先生の現在の胸の内を伺った。すると、大変な悩みを抱えられていることが分かった。それは、「婚約者が遠方の秋田にいること」や、「九州の実家で父親が産婦人科医院を開業している」という悩みであった。

前者は、確かに多くの女性が悩むことであり、Y先生自身においても、明確にはっきりとしたことが言えないという状況であった。そのため、秋田での情報も知りたいと話された。
後者は、研修医のときにも悩み、その上で決断済みのことであったが、責任感の強いY先生はこのまま美容皮膚科の道へ進んで良いものか、産婦人科医への転科も考えるべきかと悩んでおられた。

2つの悩みについて、私が面談の場で言えることは、もし新しい土地で産婦人科医となれば、大変な重圧がかかること、これだけはしっかりとお伝えした。Y先生が悩まれている途中でもあるため、少し時間を置くこととなった。

次へ続く

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