ドクター転職ショートストーリー

本業回帰(上)

2007年04月15日 コンサルタントN

 F先生からご連絡を頂いたのは、1月半ばの寒さがぶり返した頃だった。 年齢は50代後半、お電話の話し方はちょっとボソボソと話されて気になったが、実際にお会いしてみるとまだまだお若く、第一線でご活躍中であろうと推測できた。しかし実際には、そのお話ぶりから現状にお悩みであることがわかった。

 F先生は現在、地方都市駅前の商業施設内にあるコンタクト販売店併設クリニックにご勤務されており、週5日勤務、土日お休みで年俸1,800万円を貰っていらっしゃった。4年ほど勤務されており、「今まで楽をさせて貰ったが、これからの医師としてのあり方を考えると不安があるのでご連絡しました」と言われた。2006年4月の診療報酬改定でコンタクトレンズ検査料が大幅に引き下げられ、コンタクト販売店併設クリニックの収益が下がっていること、実際にこのクリニックの患者数も減っており、先生の試算では1,800万円貰っては成り立たないのではと嘆かれていた。

 またF先生はもともとが内科医であり、体調を崩した為に楽な勤務を求めてコンタクト販売店併設クリニックに勤務しているが、医師になったのが遅かったこと、その後にご結婚されたので子供さんがまだ高校生であること、これからの10年、15年を考えた時にもう一度内科医としてのスキルを身につけようと思ったことを打ち明けられた。但し、4年も内科外来を離れているので、外来を診るのに不安があり、病棟管理か老健施設の管理医師を希望されていた。

 何回かの面談を重ねて、療養型病院の病棟管理案件とか老健施設の管理医師案件をご提案していたが、ほんとうにこれで良いのか私自身も疑問があり、ある面談日に率直な疑問をぶつけてみた。「これから10年以上医師を続けられるのであれば、もう一度内科外来を担当できるような病院が良いのではないでしょうか?」F先生も病院選択については悩んでおられて、「コンタクト処方から老健施設に変わってもスキルは身に付きませんね。老健施設はまだまだ先でもできますよね。」と答えられた。その後の案件として、ご自宅から通勤可能なケアミックス型の中規模病院が内科医を募集したいとの朗報が入った。

次へ続く

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