ドクター転職ショートストーリー

地元へのUターン

2005年08月15日 コンサルタントH

 K先生は、神奈川の民間病院に勤務している呼吸器内科が専門の医師で、40代を間近に控え開業を考えていた。先生は東北出身で「昨今の東北地方の医師不足解消に一役買いたい」と考える医師の一人であり、地元に戻りUターン開業を予定していた。お話した時には、既に今秋の開業が決定しており、準備のため一日でも早く移り住み、開業準備をしながら勤務をしたいと考えていた。その一方で現在の勤務先の患者にも慕われていたこともあって、神奈川の院長からも「少しでも長く勤務を続けて欲しい!」と熱望されていた。
しばらくの間、先生の中でも葛藤はあったようだが、出した結論は開業までの半年程は、期間限定で神奈川の民間病院で常勤として働きながら週に2日、開業地において非常勤で勤務することであった。
そこで希望地周辺の医療機関をいろいろあたってみたが、返答の大多数は勤務回数が少ないので患者がついた時に辞められ、「医療機関としてかえって困ってしまう」というものであった。

ただ、K先生は弊社を利用して開業をしていただいており、条件的に厳しいことも認識された上で「リンクスタッフならば、何とかしてくれるかも?」とご登録いただいた経緯があるので、そんな信頼を裏切ってはいけない、という気持ちで医療機関にあたっていた。
そんな時、地域医療に力を入れているH病院より「先生に会ってみたい」との返事をいただいた。ここから先はトントン拍子に話が進んだ。地方の医師不足の昨今、H病院の理事長先生はH病院のことだけでなく、地域全体の事を考えれば、K先生のように地方に来てくれる医師を受け入れることが私たちの使命だと考え、K先生の希望を全て呑んだ上で、東京からの交通費も別途出していただけることになった。これには先生も喜び、本人より開業後も休診日には非常勤として勤務をし、少しでも病院に貢献したいとの申し出があったので、勤務がスムーズに決定した。
医師、医療機関ともにしっかりとした理念があり、結果としてそれをうまく結びつけることができたと感じられる瞬間であった。

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