ドクター転職ショートストーリー

災い転じて……

2005年07月01日 コンサルタントM

 「仕事」と「家庭」を両立したい――。結婚後も働きたいという女性にとっては、大きな悩みだろう。もちろんそれは、医師の世界でも例外ではない。
「家を空ける時間をできるだけ短くしたいので、自宅から近く、日勤帯で勤務できる病院で働きたい」。それがK先生の転職動機であり、次の職場に対する絶対条件でもあった。
K先生は求人が多い内科医だったため、すぐに条件の合う勤務先が見つかるだろうと思っていた。しかし、そんな私の安易な思惑とは裏腹に、職場探しは難航した。求人のあった病院を数件紹介し、面接を設定したのだが、自宅近くだと勤務内容が希望と合わず、勤務内容が合う所は自宅から遠いといったように、先生の希望を満たすところがなかなか見つからなかったのだ。
その後、全く進展のない状況が続いたため、私自身も不安を覚え始めたが、この状況を逆に発奮材料として、これまで以上にいろいろな病院やクリニックに打診を続けていた。
そんな時、自宅から30分で通勤できる診療所が求人を出しているという情報を得ることができた。

すぐに診療所に連絡を入れ、求人内容を確認したところ、先生の希望条件を満たしていることが分かったため、すぐにK先生を紹介するとともに、院長との面接をお願いした。面接を設定してからは、話がトントン拍子に進んだ。診療所の院長は、K先生の明るい人柄に心を打たれ、先生もまた、この診療所を大変気に入ってくれた。診療所が求人を募集してから、約一週間という早さでK先生の入職が決まった。
診療所側は、あくまでも家庭を優先させたいという先生の希望を快諾し、急な休みなどにも対応することを約束してくれた。その上、金銭面でも先生に満足して頂ける年収1000万強という条件での転職となった。
その後K先生から「今のところ仕事は順調です。いい転職先を紹介してくれてありがとう」といった内容のお手紙を頂いた。途中難航して不安になることもあったが、かえってその期間があったことが、K先生にとってベストと言える職場の紹介につながったのかもしれない。まさに「災い転じて福となす」結果となったのだ。
省点と、満足していただける職場を紹介できた達成感とが複雑に絡み合った、記憶に残る一件となった。

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