ドクター転職ショートストーリー

不満はありません

2005年06月01日 コンサルタントT

私がI先生と初めて会ったのは、去年のクリスマスの日であった。そしてクリスマスソングが流れるカフェで面談が始まった。眼鏡をかけた優しそうな人という第一印象のI先生は、1年前に医局を離れ今は民間の病院に皮膚科医として勤務していた。「先生、今の病院に何か不満がありますか?」という質問に対して返ってきた答えに私は驚きを隠せなかった。
「不満はありません。ないから転職を考えているのです。」話を掘り下げていくと実はこういう事であった。
I先生は、将来開業を考えていたが具体的な計画はなく漠然としていた。今の職場で勤務しながらタイミングをみて開業をしようと考えていたのだ。
しかし、今の病院は、待遇も良く、人間関係・業務内容にも恵まれていて、このままでは自分がサラリーマン医師として終わってしまうという危機感から、自分をもっと厳しい環境におき開業するための勉強ができる職場で働きたいという動機であったのだ。
私は感動を覚えた。そして、先生と私の転職活動が始まった。

転職活動は、さほど難しいものではなかった。
先生の人柄・内に秘めた闘志が面接先の理事長に伝わるのである。いくつか面接をして最終的にTクリニックに入職することに決まった。
Tクリニックの医師は将来開業を目指す集団である。そしてパートナー医師という限りなく開業に近い道を選択したのである。
パートナー医師とは雇用形態は勤務医ではあるが、給与は総収入から経費と運営費を差し引いた残額となる。出来高制なのでリターンも大きい分、安定という意味では厳しい条件である。理事長の人柄・考え方に共感したこともあり、また自分自身をレベルアップするためにI先生はあえて厳しい環境に身を投じたのであった。
I先生は以前の病院では固定年俸で1,500万円の収入であったが、先生の前向きな姿勢を考えると今回の転職で先生の収入は確実に増加すると私自身確信した。
今後I先生が完全な独立開業をするまで、いや、開業した後もサポートしたいと思う。
前向きな姿勢が印象深い先生であった

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