ドクター転職ショートストーリー

子どもの教育も大切

2004年03月01日 コンサルタントY

関東にある国立大学の医局に所属する循環器内科医。医局の派遣により、北陸にある大学の関連病院(公立)に勤務していた。年齢は40代前半で、1,110万円程度の年俸を得ていたという。その病院は症例が豊富であり、スタッフも十分にそろっているため、自分の満足する仕事ができた。しかしながら、人事異動があるたびに転居しなければならず、さらに、必ずしも希望する関連病院に転勤できないことに不満を覚えるようになった。そして、何よりも子どもが成長するにともに、どこかに落ち着きたいという思いが徐々に増してきたのである。折しも子どもが小学校に入学する年齢となったので、医局を離れて民間病院で勤務することを決意したのである。
先生の希望は以下の通りであった。
① 希望勤務地は、長年住んでいた神奈川県。子どもの教育を考えるならば、その中でも横浜周辺がベストである。
② 心臓カテーテル検査の症例が豊富であること。
③ 循環器内科医が3名以上、そして心臓外科医が必ずいること。

心カテ検査経験者を募集している病院は数箇所あったので、勤務内容や年俸などの条件を詰めていきながら、絞込みを行った。こうして神奈川県内の症例数が豊富な総合病院を選び出し、早速その病院の院長先生との面接を設定した。その結果、院長先生は先生のスキルもさることながら、家族思いで穏やかな人柄に惹かれたとのこと。先生も、3つの希望がかなえられたうえに、何よりも院長の熱意にほだされて入職を決意した。また、提示された年俸も約1,500万円と、大学病院時代のそれを大きく超えた。
 転職の理由が「子どもの進学」というドクターは決して少なくない。本件は、家族のためという思いから転職活動を始めて、結果的に循環器内科医としてのレベルを落とすことなく、満足できる転職ができた好例である。

コンサルタント手記バックナンバーへ