ドクター転職ショートストーリー

転職の難易度

2004年02月15日 コンサルタントS

 A先生はキャリア12年の心臓外科医。関西の大学を卒業後、地元大学の医局に属していた。その医局の指示のもと、地元では名だたる急性期の病院を、2年に1回のペースで歴任していた。体力も技術も充分にあるため、周囲からそれなりに高い評価を得ていたという。ただ1つ残念なことに、ポスト不足ということで、実力に見合った報酬が得られなかったのである。この状態では将来の開業資金をつくることが難しい。そこで、初めて「自分の意思による転職」を考えたのである。
 初めての面談時には、もう既に退職も退局も済んでいた状態であった。A先生曰く、「自分で自分にプレッシャーをかけているんだ」とのことである。聞くところによると、「自分は他大学出身で、外様だから」「今年の春就任の教授には、特に世話になった訳でもないし、借りもないから」とのことで、医局を離れやすい環境にあったらしい。
 先生の希望は以下の通りである。
1:実家近辺に所在する病院
2:年俸1,700万以上
3:内科的診断手法を身に付けられる病院(開業を見越して、循環器内科としての技術を習得したい)
4:現在無職なので、できるだけ早く勤務したい。

 幸い、すぐに1-3をある程度満たす病院が見つかったため、先生に紹介した。すると、先生が過去に非常勤として勤務していたことがある上に、転職先の候補として頭の片隅に置いていた病院であった。院長もA先生のことをよく覚えており、「給与面込みでOK」との即答を得られた。勤務開始日も「いつからでも…」とのこと。
 まさかこんなにトントン拍子で話が進むとは…。まったく、先生とはあっという間の短いご縁であった。次回は開業時に一緒に仕事をさせて頂き、苦労したいと思う次第である。

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