「医師として」メインタイトル
前編のあらすじ
大病を患い胃を全摘、さらに脳梗塞の影響が残る消化器内科医。
老健での週1回の非常勤勤務で復帰を果たしたが、
臨床の現場に戻りたいという強い意志で転職を決意した。
なんとか数件の病院と面談をすることになったが…
 

第5話
意志の強さは何事にも勝る
(後編)

 四 予想だにしないオファー
施設長として
F先生がお住まいの地域はJR、地下鉄のインフラ整備がされている地方都市。通える範囲の医療機関も各地方からDrが集り、加えて大学医学部とパイプをもつ病院も非常に多いエリアです。
ご面談時にご希望頂いた2件の内、1件は先生と同年代かそれ以上の年齢のDrが勤務されており、若返りを図る為の求人だった為、話を進めることができませんでした。
そこで、先生には残りの1件の医療機関と面談調整を行いました。
その医療機関は、近隣に医療療養型病院を3施設、老健2施設、高齢者住宅10棟以上を手がけるグループ法人です。
常勤医は80歳近くのDrが何人も従事しており、まだ60歳代のF先生は若い方なので問題なしということで、是非とも面談をしたいというオファーの元、面談日を迎えました。

ところが、面談時に出てきた法人側のF先生への希望は、病院勤務ではなく介護老人保健施設の施設長でお願いできないかという全く予想だにしない方向での提案でした。
その時のF先生は一切不愉快な顔をせずに、施設長という役職に対し、「自分にできるのか不安ですが、一度検討してみます。」とお返事をされました。
私は、医療人として貢献したいという先生のお気持ちを知っていただけに、我慢できない気持ちで一杯でしたが、先生の紳士的な対応の前に、その場で抗議することは抑えました。
面談後、先生に深く謝罪し、改めて別の求人をご案内させて頂く旨ご説明し、別れた後、法人に抗議しましたが、法人側の考えは変わりませんでした。
 五 諦め
非常勤でも
その後、F先生の希望する範囲の医療療養型病院にアプローチを行いましたが、残念ながらオファーを頂ける医療機関がなく、1ヶ月が過ぎようとしていました。
ある日、先生に現状の進捗報告をお電話でした際、「常勤先がないのであれば、複数の非常勤を組み合わせて勤務することも視野に入れ求人を探してほしい」と依頼されました。
先生の言葉には、明らかに諦めの感情が含まれていました。

私は、非常勤勤務となれば更に年齢的に勤務が難しい市場であることは知っていましたので、ご希望の求人探しのためにあと1週間お時間を頂きたい旨お願いしたところ、「本当にありますか?」と、疑い半分ながら、私の返答に期待していたかのような張りのある声でご了解を頂きました。
その上で、もともとの希望されていたエリアから範囲を広げつつ、アクセスが比較的便利な場所に絞り、新規の医療機関へ先生の概要を説明し、求人確認を行いました。
結果、お住まいの隣の市のA病院が、是非お会いしたいと手を挙げて頂きました。
A病院の希望は、人間性を重視したいとの事で、その点、先生は脳梗塞を患ったため、多少動きや話口調が遅いものの、お人柄の良さは間違いない旨念押しし、面談に至りました。
 
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