「医師として」メインタイトル

第1話
「現役医師」としてのこだわり
(前編)

病院選定
 三 眼鏡にかなう病院
 そんな先生に相応しく、ぜひご紹介したいと思える病院が一つありました。それは、ドクターヘリや3次救急の高度救命救急センターを有する、地域の救急基幹病院です。
 日本麻酔科学会認定専門医取得の為の研修施設でもあり、現在の麻酔科部長がご家庭の理由で近々退職して帰郷されることに加え、大学医局との異動調整が奏功しなかったため、麻酔科をまとめてくださる指導医を探すことが急務となっていたのでした。

 実際のところ、年齢等による採用基準を理由に、Dr.のスキルや経験また人柄などを聞かずして、単なる先入観からお断りしてくる医療機関が多いのも事実です。しかしこの病院の場合、事情は大きく異なりました。
 麻酔科医としてのスキルだけを求める訳ではなく、他のDr.をまとめる統率力など、人柄や人望も病院側の求める大きな要素です。そこで勤務内容や条件はもちろんの事、今回の求人に至る背景や病院の描く将来像など、求人票には書かれていない内容まで、私から細かくご説明させて頂きました。

 その甲斐あってか、ご自宅から遠距離であるにも関わらずたいへん強い興味をお持ち頂き、施設見学から院長面接という運びになりました。
 四 順調そのもの、だったが…
 病院長からは「何としても当院に必要な人材なのでぜひ話を進めて頂きたい」というお言葉を頂きました。そればかりか片道2時間以上もかかる当社まで、自ら足をお運びくださったのです。私は病院長の熱意に感銘を受けました。
 ところがこの後、事態は思いもかけない方向へと傾きます。無論この時の私は、嵐の予感など、まるで知る由もありませんでした…。
 
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