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「希望が香る」
社会医療法人同仁会 耳原総合病院

病院の特色


1.消化器センター

 外科の医師と消化器内科の医師が所属し、患者さんの「外来から入院、そして在宅や外来」という経過や関わりを大切にしている。外科医師と内科医師が一体となったことで、最小の負担で最大の治療効果を上げることが可能になった。
 対象疾患は肝臓がん、膵臓がん、胆道がん、消化器がん、乳がん、ヘルニア、肛門疾患、閉塞性黄疸、胆管結石、消化管出血、肝炎などであるが、消化器がんでは大腸がん手術が最多で、2009年度は全身麻酔による手術が85件を数えたが、そのほとんどを腹腔鏡で施行した。
 大腸内視鏡検査は年間約1,600件、内視鏡的腫瘍切除術は年間約350件であり、近隣の開業医からの紹介も増えている。

「センターと言いますと、国立がん研究センターや国立循環器病研究センターといったイメージがあります。そういったセンターは日本のトップクラスの医師が集まって、臨床や研究をしているところですが、当院のセンターは臓器別のセンターであり、多くの診療科の医師やコメディカルスタッフが患者さんのニーズに応えていくというものです。これにより、診療部門がバランスよく機能し、患者さんにより良い医療を提供できたらと願っています。また、私が重視しているのはアウトプットとアウトカムの両面です。アウトプットは病院での行為によって出てくる結果です。合併症なく、何日で退院させたというものですね。医学には不確かさがあり、リスクもありますが、それを差し引いた結果です。一方で、アウトカムは医療によって、患者さんの人生がどう変わったかという視点です。悪い習慣が良いものになったり、面白くない人生と思っていたのが良い人生だったというふうに変わったりですね。これを知るにはその患者さんの死生観や幸福感も知っておく必要があります。そこで、センターに携わるスタッフにはアドボケーターとしての役割を期待しています。消化器センターは看護師、リハビリテーションのスタッフ、管理栄養士、ソーシャルワーカー、管理栄養士、放射線技師、臨床検査技師、心理療法士などの多職種連携が進んでいますね。また、病理医が常勤しているのも特徴です。迅速で正確な診断に寄与しています。」



2.循環器センター

 循環器内科と心臓血管外科が協力して、24時間対応を行っている。専門医が「ハートコール」に直接、受け答えをしており、急を要する疾患のみならず、日常診療でのコンサルト、心電図の読影などにも対応している。
 対象疾患は狭心症、急性期、慢性期の心筋梗塞などの虚血性心疾患、不整脈、心不全、弁膜症、心筋疾患、心膜疾患などである。また、高血圧症、大動脈解離、大動脈瘤などの大動脈疾患、閉塞性動脈硬化症、頸動脈狭窄症、肺塞栓症、下肢深部静脈血栓なども診療対象となっている。

「重症管理は4床のICU、4床のCCUで行っていますし、緊急血液透析、大動脈内バルーンパンピング、経皮的心肺補助装置も必要に応じて導入します。理学療法士や看護師が常駐していますので、心臓リハビリテーションなどの運動療法や生活指導にも力を入れています。これまでは効率化の観点から、患者さんを病棟からカテーテル室に連れていくスタッフ、術前にチェックするスタッフなど、色々な係がいたんです。これだとスタッフの担当は患者さんのパーツになってしまい、なかなか患者さんの全体を診ることができなくなります。センター化したことで、多職種間でケアプロセスを決めたり、患者さんのお世話係的な仕事ができるスタッフを作っていけると考えています。」



3.腎臓内科・透析センター

 病院のリニューアルに伴い、上記の2センターとともに立ち上げられたセンターである。南大阪随一の血液透析センターを有する。糖尿病や心筋梗塞などの合併症には各専門医が伴診し、栄養指導やメディカルソーシャルワーカーによる生活相談までのトータルサポートが特徴だ。患者さんの利便性を優先し、夜間透析や個別無料送迎も充実しているほか、看護師による家庭訪問も行っている。
 対象疾患は、蛋白病や血尿異常といった検尿異常、慢性腎炎、ネフローゼ症候群、急性腎不全、慢性腎不全、血液浄化療法などであり、腎生検を含めた腎炎の精査、加療に力を入れている。特に腎不全教育入院をはじめ、腎不全を未然に防ぐ取り組みにも積極的である。

「総合病院の中にある透析室ですから、以前よりも他科との連携が深まりましたね。緊急対応も手厚くなりました。」



4.栄養科・食養科

 耳原総合病院では国産の野菜や肉を使い、料理したものをすぐに提供するクックサーブ方式を採用し、美味しい病院給食を追求している。

「当院の自慢の一つが食なんです(笑)。管理栄養士は自前で、調理師は外注という病院が多いのですが、当院は調理師も自前です。経営面では不採算部門となりますし、平均在院日数が9日の昨今であっても、衣食住は人間にとって大事なものです。食における特別加算額は全国の400病院ほどの中で3位です。さらに、アレルギーも一人ずつチェックしています。メニューだけでも40種類以上あり、食べられないものを組み合わせると、何十万食になりますから、スタッフの努力は涙ぐましいですね。1カ月に4、5回は西馬農園の有機野菜を使ったメニューもあります。西馬農園は西日本では著名な農園なのですが、高いので、和え物ぐらいでしか出せないんですけどね(笑)。」



2016.09.01 掲載 (C)LinkStaff

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